大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

建築確認がおりた・・・やっと!

8月22日、やっと!建築確認がおりました。
・・・ん? もう3か月も前! 我ながら、ものすごい筆無精。

建築確認申請を出したのが3/20、
石場建ての適判のための事前相談を通過したのが6/27。
適判の専門機関での審査を経て、建築確認まで5か月!
普通の家なら、とっくに建ってもう住んでいますね。

そもそも限界耐力計算による構造適合性判定(適判)が
石場建て伝統構法にはなぜ必要かについては、
2018年4月22日の記事
また、なぜそうまでして石場建て伝統構法なのかは、
2019年3月20日の記事
ものすごくかいつまんで言うと、
石場建て伝統構法は、地震に強く、耐久性が格段に高いのに、
現行の建築基準法に規定がなく、建てるには一般家屋としては特殊な
限界耐力計算による構造計算が必要ということ。

で、なぜそんなに期間が必要か・・・。

一般的な家は、普通まず構造計算なんかしないそうです。
建築基準法に則って壁量などの仕様規定を満たしていれば、
確認検査機関(建築主事)の審査を経るだけで建築確認がおりるからです。
良心的な建築会社(建築士)だと許容応力度計算をしているところもあるようですが、
構造計算判定機関の審査を経ているわけではありません。
ハウスメーカーの家は、包括的に型式適合認定を受けている場合もあります。
つまり、普通は建築確認と言っても、
一戸一戸の構造計算が審査されているわけではない・・・ということ。

それに対して、石場建て伝統構法の場合は、
建築基準法の仕様規定外の工法なので、
限界耐力計算という詳細で膨大な構造計算に基づいて設計し、
三者である構造計算判定機関の判定を経たものが、
確認検査機関(建築主事)の審査によって建築確認済証が交付されるという二段構えになっています。

つまり、まずは事前相談/審査で質疑応答を重ねて申請書類を作成、
それを以て本申請の後も質疑書や追加説明書などのやり取りを経て適判通知書が交付され、
さらにそれを以て建築確認申請書との整合性が確認されて、
ようやく建築確認済証が交付となるわけです。
この家固有の構造について計算され、複数の審査を経ているので、信頼度が格段なのです。


と調べながら書いている本人も、分かったような分からんような・・・。
ともかく一般の家の建築確認に必要な書類の3~4倍はあろうかという
分厚い書類ファイルを棟梁に見せてもらい、これだけ長期間に渡ったのも納得です。

しかも日伸建設の場合は、
設計専門の建築士事務所が設計し工務店に工事を任せるのではなく、
日伸建設の棟梁自身が構造計算し、建築士や判定/検査機関と協議し手続きしているのです。
しかも、他の家を建てながら!

この苦労は、並大抵のものではありません。
そして、設計・構造計算している本人が、自分で材木を選び手刻みし、建てるのです。
その間、施主である私たちは、
棟梁をして「千本ノック!」と言わしめたほどいろんな要望を出させていただき、
それに棟梁は嫌な顔ひとつせず真摯に向き合ってくださいました。

これまでのご苦労と頑張りに、言葉も見当たらないほど感謝しています。
お疲れさまでした・・・というか、
まだやっと設計ができあがった段階で、建て始めるどころか、材木の墨付け手刻みはこれから。
さっそく、5か月間を目途に取り掛かってくださっているところです。

ということは、建て方が始まるのは年を越して1月?!
そう、採寸加工というだけでも、普通の家と比べて圧倒的に材木は多いし大きいのです。
でもこうして3年がかりで建てる我が家。
まだまだかかるけど、かかればかかるほど思い入れも深まるというものです。