大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

建て方初日

今日(2/17)は、ついにその日が来ました!
建て方初日。

朝7時には棟梁がやって来て、下準備。
夜中まで雨が降っていたので、
基礎や材木に掛けてあるブルーシートはビショビショ。
それでも今朝はすっかり雨が上がって陽が射し始めます。

8時には、応援の超ベテラン大工さんも続々やって来ます。
日伸建設の親方に聞くところによると、伝説の数寄屋建築の名匠、
故中村外ニ師の番頭格という大工さんを中心とした錚々たるメンバー。
これにはかなりビックリ! そんな匠がこの辺りにいらっしゃって、
そんな方々を集めてこられるなんて。


さて、日伸の大工さん3人を含む総勢9人で作業開始。
初めは敷地の3方に養生幕を張り巡らせ、
クレーンの下に敷く鉄板も敷設します。


1本目の管(クダ)柱(1階だけの柱)が立てられ、
1本目の通し柱(2階までの柱)が立てられ、足固めでつながれて、
まず家の一角がL型に自立。
それにつなげて、いちばん奥の壁面が立てられていきます。


9時には大型クレーンが到着。
大黒柱と小黒(向い大黒)柱と足固めと差鴨居の材を
基礎に寝かせたままクレーンで井桁に配置して組み付け、
その井桁に組み上がったものをクレーンで吊り上げて立てます。


あとは同様に奥から順番に、縦材と横材を次々と組んでいきます。
とはいえ、プレカットと違い手刻み材は、
ホゾ穴にホゾ(凸)はスッとはまりません。
何人かがかりで手で音をギシギシいわせながらねじ込むように挿し、
大きな槌でコーンコーンと打ち込んでいきます。

それも、梁の上に平均台のように立って、
鉄の塊のような槌を振り下ろします。
かなりの重さのうえ、打ち付けたときの衝撃はかなりのもの。
それをいとも簡単そうにやっていきます。


日伸建設ではホゾを槌で打ち込むのはいつものことですが、
普通は在来工法なので、あとで金物で接合します。
ところが今回は石場建て伝統構法。金物を一切使いません。
ホゾがかなり長くて相当キチキチなので、
組み込むだけで崩れることはありません。

10時には休憩、12時には昼食、3時には休憩と、
2時間に1度きちんと休憩をいれていきます。
自分の働きぶりを顧みるに、規定の休憩時間は建て前のようなもの、
ついダラダラ仕事を続けています。
メリハリのないこうした働き方が、労働生産性の低さにつながっている?

それにしても、大量の材木の山が段取りどおり積み上げられていて、
上から順序よく組まれていく、しかも大工さんたちが皆、
自発的に動いていく様は、見ていて気持ちいいものです。
そして、その働きっぷり・・・ときどき笑い声が響き、すごく楽しそう!


見とれているうちに、アッと言う間に夕方6時、終了時間。
奥から1階の12分の5のところまで、一部通し柱のところは2階も、
家の形が見えたところで予定どおり終了。

ものすごい段取り力に感心しきり。
我が棟梁、石場建て伝統構法の棟梁を担うのは初めてなのに。
自分で構造計算し、自分で手刻みして、
この家の設計・構造を知り尽くしていればこそ。
しかも大工のほとんどが自分より歳上の大先輩なのに、きちんとまとめている。
さすがです。

明日2日目には、2階の部屋の柱が立つぐらいまではいけるのかな?
みなさん、ゆっくり休んで、またよろしくお願いします。
 
 
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