大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

建て方2日目

一昨日(2/18)は、建て方2日目。


前日は予定のところまではいったんですが、
最終のひずみの調整が時間切れで中途半端だったので、そこからです。

というのも、普通の在来軸組工法だと、
コンクリート(ベタ)布基礎に土台の材木をボルトで留めたら、
それは完全に固定されているので、一切動かせません。

一方、伝統構法では木組みがジャングルジムのようにラーメン構造になっており、
足元も木材同士の繋ぎ目も完全には緊結されておらず、しなります。
それが耐震性の強さの所以なんですが、
材木のx軸・y軸・z軸が完全に直交していないとホゾがホゾ穴に微妙に入りません。

ある箇所が㎜単位でズレていると、そこから離れたところでは㎝単位に拡がります。
なので、足元を数人で一斉に叩いて、ひずみを微修正するのです。

そして、続きを次々と組んでいきます。
といっても、プレカットのように浅いホゾ穴に小さなホゾをはめ込むのとはワケが違って、
貫通したホゾ穴に柱の太さより長いホゾを挿しこんでいく、
それをあっちもこっちも同時に挿しこまないといけないので、大変です。

こっちを挿せばあっちが抜ける、
ギシギシ摩擦音を鳴らしながら、はまったと思ったら微妙に最後まではまらず微修正・・・。

鑿や鉋でで若干削ったり、鋸でホゾの角を少し落としたり。

槌で叩きはめます。
最後まで入らず、いちど抜いて、やり直すこともあります。

いよいよ正面から2列目まできました。
貫を2本同時に入れるのは、簡単そうに見えて、なかなか入りません。


キリのいいところまできたので、昼食。
炊き出しをしようか、仕出しをとろうかと思って尋ねたんですが、
大工さんたちがめいめい好きなように弁当に持って来るから要らないとのこと。
でも、立春は過ぎたとはいえ寒波が来て冷え込む今週。陽射しがあっても北風が冷たい。
そこで妻が豚汁を料理して、アツアツを振舞うことにしました。

昨日今日と応援の大工さんを含め9人態勢でしたが、
明日からは7人体制になるというので、
全員がそろっているこの機会に、大工さんとクレーン操縦の方と​日伸建設​の親方の
総勢12人に、記念の色紙を書いてもらいました。
いい記念、上棟の後の棟札とともに、三百年名が残ります。(洋紙にマジックではもたない?)

一息ついて午後はまず、家の正面の壁面になる材木を組み立ててしまってから、
壁面全体をクレーンで吊り上げて礎石に載せて、
家の角の通し柱を間に挟んで家本体に打ち込んでいきます。


梁に乗って平均台よろしく3か所同時に槌で打ち込んでいきます。
カーンカーンカーンと、私たちには心地いい音ですが、ご近所には迷惑でしょうね。
申しわけありません。
で、これでほぼ1階の構造材の骨組みは終了。


ここまでくれば、1階の間取りの全貌が実際に見えてきます。
図面という2次元で立体の部屋を想像していたのと違って、
間取が3次元的に目の前に広がっています。
これは感動です!


あとは2階の柱を上から次々と刺して、
それぞれを貫でつないでいきます。


1階の苦労がウソのように2階はどんどん柱が立っていって、
あれよあれよと言う間に間取りが見えてきました。

というところで夕方6時。日はつるべ落とし。
汗をかいて冷えたところに温めた缶コーヒーを振舞って、今日は解散。
2日目も見込みどおりの段取り、見事、棟梁の采配と大工の皆さんの働き。

明日の午後には棟上げができそうです!

今日は午後から、​大阪府立大学工業高等専門学校の木造建築関係の研究室​の
岩本いづみ先生と学生さんたち5人、
NPO伝統木構造の会​の理事の上野潤先生※が見学にお越しになり、
小西親方​も一緒に木構造談義も・・・。
遠路お寒いなか、ありがとうございました。お疲れさまでした。
今後ともよろしくご指導くださいますよう、この場をお借りしてお願いいたします。


※上野先生は、奈良県橿原市今井町の伝建地区で活躍なさっており、
 ​町家カフェCOURT REPOS​のオーナーでもあります。
 素晴らしい街並み、素敵なお店です。ぜひ訪れてみてください。

 

 

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