大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

国産材としての杉 ~杉花粉・・・花粉症?

花粉症の時季まっただ中ですねぇ!

さて、2/20の上棟から2週間。
あの建て方の1週間のお祭り騒ぎ(?)から一転して、
毎日コツコツ​日伸建設​直属の大工さん3人で、
主に屋根仕舞いの作業をやっていて、
しかもすっかり養生幕で覆われてしまっていて、
パっと見、これといった大きな変化は見られません。

とは言うものの、破風板が取り付けられ、

残っていた軒の野地板も張られて、
大工仕事としての屋根仕舞いは文字どおりお終い。
すっかり屋根らしい形状になり、
骨組みだけだったときよりずいぶん家らしくなってきました。

そして昨日午後には、瓦屋さんが防水シートも張ってくれて、
いよいよあとは淡路瓦を葺くところまできました。

で、その屋根の材木。
ウチの場合、柱は全て吉野檜なんですが、
屋根はといえば吉野杉なんです。


杉といえば、花粉症?・・・。

ここんとこ、杉花粉情報が天気予報を賑わしていますね。
私も前のビニルクロスに囲まれた家に住んでいたときは、
よく鼻水ジュルジュルくしゃみ連発に苦しめられ、
常備薬として鼻炎カプセルが必須の暮らしでした。

ところが今の仮住まい・・・築五十年の真壁の家・・・に移ってからは、
前の家とは100mも離れていないのに、
どうもその症状かかなり軽い(目が少し痒い程度)気がするのです。

果たして花粉症と家の材質とは関係があるのかどうか・・・。
思い返してみれば、子どもの頃、花粉症なんてありませんでした。
2020.1.4には、気候風土適応住宅を考察しながら思ったことを
「​複合汚染・・・住からの視点(雑感)​」に綴りましたが、
どうも杉花粉そのものが悪いわけではないように思うのです。


(☝Business Journal > 花粉症の原因は車の排気ガスだった)

そんな思いを抱きつつ、いつも勉強させていただいている
「​木の家ネット​」のHPを覗いてみると、
イムリーに興味深いインタビュー記事が掲載されていました。

福岡県朝倉市の杉岡製材所、杉岡世邦さんのお話しです。

その中に、福岡の中東部・小石原にある行者杉の話題が出てきます。
その昔、霊峰英彦山(ひこさん)の修験者の神聖な修行場だったということ。

英彦山といえば、話しは逸れますが、
数年前に我が枚方出身の絵本作家​ミロコマチコ​展を見に妻と
福岡の​田川市美術館​に行ったときに、
ここが炭坑節のルーツかと初めて知って感動したのと同時に、
同じく枚方在住だった素朴派の画家、​塔本シスコ​がよく絵に描いていた
英彦山がそこから見えたので、それにも感動したのを思い出しました。

枚方市立くずはアートギャラリーでは
塔本シスコ展が2013年2月に開催されており、
その際に私たち子どもエイサーが出演することを
このブログに掲載していたことを思い出しました。
何かいろいろ繋がっていて奇遇だなぁと、脱線が過ぎましたが、
その「​水と、空気と、森林と。​」のインタビューで杉岡世邦さん曰く。

「杉花粉がきれいな状態ではアレルギー症状は起こりません。
涙も鼻水も咳も、花粉の表面に吸着した化学物質の微粒子を
体外に排出しようと反応している・・・」

「樹木としての杉は、むしろ空気と水を浄化する作用を持っています。
“水と空気を清浄に保つ”にはどうすればいいか。
それを考えて行けば自ずと花粉症対策の道筋も見えてくる・・・」

「・・・『もう杉はよか』を『やっぱり杉はよか』に変えていきたいんです。」

「・・・本当に美味しい水、美味しい空気を知るためには、
一度山まで遡って暮らしを見つめ直す必要があるのではないでしょうか。」

ぜひ木の家ネットで​原文​(☜click)を読んでみてください。
きっと目からウロコです!

1/19に間伐ボランティアに連れて行ってもらったときのことを
2020.1.27「​間伐ボランティア体験​」(☜click) の記事にしましたが、
家を建てるということは、食品の産地を知るのと同様に、
山を知るということも大切なんだなと・・・。


ウチの天井に張られた真新しい杉無垢板を見ながら、
花粉症でちょっと痒い目をこすりながら、
そんなことを思い巡らす週末です。