大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

日本の家づくりの常識は、30年遅れ?・・・家づくりとリテラシー

荒壁土を竹小舞に塗り付けて​から1週間。
あれ以来の好天のお陰で、外壁はほとんど、内壁は8割がた乾いてきています。
が、裏返し塗りに入るにはあと2週間はみておかないといけないそうで、
辺りはほんのり発酵臭に包まれるなか、ただ待つ日々が続います。


そして新型コロナウィルス感染拡大の収束が全く見えない状況なかで、
5/6までの緊急事態宣言を以後どうするか政府は何も発信することなく、
ゴールデンウィークに突入します。

この間、学校は休校、在宅勤務・テレワークが試行され、
子どもも大人も我が家にずっといることを余儀なくされました。

夜、寝に帰ってくるだけの存在だった家。
生涯をかけ何千万円ものローンを組んで「買った」我が家。
今24時間ずっとその我が家で過ごしていて、
さて、どうでしょうか。健康な環境は担保されているでしょうか。

「新築の匂い」と心躍らせながら入居して以来、
新建材やビニルクロスに囲まれて、
窓を閉め切って機械空調の中で一日中過ごす日々が
思いもよらずおとずれることになってしまったこの機会。

「家づくり」についてあれこれ考えを巡らせる、
またとない良い機会になるのではないでしょうか。

そんなとき、こんな記事を妻が見つけました。

著:本間貴史 氏(1級建築士・本間総合計画代表取締役


30年遅れ…とは、どういうことでしょうか。
 
 日本の住宅事情は、一般論として高過ぎるということもあるのですが、
効率だけを追及することで安直な建材を使い、現場の人件費を削り、
さらに大企業の利益のための政府・政策のもとで、
寿命が20~30年と先進国としてはあり得ない「住」を、
一生かけてローンを組んで「買って」いる・・・。

・・・そんなことを指しているのでしょうか?
そうなんですよね!
まさに私がこのブログで言いたいことです。
じゃぁ、「家は建てるもの」って?

曰く、

リテラシー・・・。
(​weblio辞書​より抜粋引用)

欧米では、学校で家づくりについて学ぶそうです。
日本では? 
スーパーで陳列棚に並んでいる商品をカゴに入れるように、
車のディーラーでパンフレットと展示車を見ながら価格交渉するように、
家は住宅展示場で、言葉巧みな営業の人まかせに買ってるのでは?

これもまさに、私がこのブログで言いたいこと。
自分で学び、建てる専門職と一緒に「家はつくるもの」。

日本の家づくりには、大まかに5つの建設方式があるそうです。
曰く、


ここでこの著者は、【5】CM分離発注方式を勧めていらっしゃいます。
私はこの5つの中では、【1】は論外として、
【2】か【5】の二択しかないと思っています。

【5】と【3】に違いがあるというのは、私も知りませんでした。
​​​「​CM分離発注方式​」については、ぜひ記事原文をお読みください。

『理想の注文住宅を建てたい! 価格の見える家づくりの教科書』本間貴史(著)
(☟amazon書籍紹介画像から転載)




理想の注文住宅を建てたい! 価格の見える家づくりの教科書 [ 本間 貴史 ]

私は家を建てるにあたって【2】を選択し、​​​
このブログでお勧めしています。
その地元の工務店を見極める力も、リテラシーです。

いわゆるハウスメーカーやハウスビルダーの営業の言に反して、
素晴らしい地元の工務店や地元の匠・職人が実はたくさんいる。
それを情報を駆使して自分で見つけてほしいと思っています。

施主と設計と施工が一体となって協同で家をつくる
納得と満足と喜びは、何にも代えがたいものです。
そして、良い工務店に出会えれば、費用も最もリーズナブル。

私は石場建て伝統構法を選んだので費用はかさんでしまいましたが、
それも納得できればこそ。
広告宣伝費や営業の経費やモデルハウスの維持費や企業・株主の利潤といった
家づくりに直接関係ない費用をかけず、
良い材と高性能な設計と匠の技に直接かかる対価だからです。

とはいえ、優良な地元の工務店を見極めるにはかなりの努力が必要で、
でなければ良いご縁を得ることはできません。

私は、難度の高い限界耐力計算までやってのけ、それを手刻みの木組みで仕上げることのできる
地場の工務店に出会うことができましたが、
最終的にそういう出会いは運もあるかも・・・という面も否めません。


なかなかそうもいかない・・・というのも分かります。
それなら【5】CM分離発注方式ですね。
これ、知らなかったんですが、よく見ると本来は大工の棟梁の仕事なんですよね。
違いは、棟梁は自分でも施工しますが、この場合は設計専業の専門家が仕切る。

同じ建築家と言っても【3】より高度な総合力が求められるわけですよね。
ということは、そんなCM分離発注方式ができる、家づくりのあらゆる分野に渡って造詣の深い、
しかも自分に合った建築家さんに出会わないといけないわけで、
それはそれで見つけ当てるリテラシーと努力が必要ですね!

「衣」「食」「住」・・・全て人生がかかっていますが、
最大かつ生涯の健康と幸せがかかっている「住」だけは、営業任せ・・・?
ぜひ自分のリテラシーを総動員して納得できる家づくりをしましょう。

家づくりは学び、そして出会い。
30年遅れと言われないよう、自分と自分の家族のために。