大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

床板(フローリング)張り・・・極厚無垢杉板

今日は朝方まで結構降ったあと止んで、日中は薄陽が射し、ほぼ無風。
気温が上がって、雨の降る昨日よりずっと蒸し暑く不快です。
で、午後2時頃の不快指数を計測してみました。
     気温   湿度   不快指数
屋外  28℃  85%  80(暑くて汗が出る)
屋内  28℃  75%  79(やや暑い)
    (小数点以下、切り捨て)

やはり少しは屋内のほうがマシですね。
鼻が慣れてしまったのか檜や土壁の匂いは特に感じませんが、
もちろん新建材の臭いは無いし、モワァ~ッとした不快感はありません。

ただ、壁は荒土壁のままだし、
新建材の家との客観的な比較にはなりませんね。

でも床は、昨日6/11の夕方、
作業終了時間間際に何とか張り終えています。
6/6から張り始め、実質丸5日間。


床板(フローリング)の上には養生シートを全面に敷き詰めてあるので、
無垢フローリングの調湿性は今のところ発揮できません。

そう、もちろんフローリングは無垢材。
棟梁が採用したのは、吉野杉、赤身勝りの源平小節材。
40mm厚、本実突合せ。特別に誂えて製材した床材です。


一般的にフローリングは、
大引きという床の構造材の上に根太という細い材木を張り、
その上に構造用合板などで捨て張りして、
さらにその上に厚12~15mm厚の市販のフローリング材を打ち付けて仕上げます。
これは合板フローリングでも無垢フローリングでも同様です。


ウチの場合はこの捨て貼りをしていません。
大引きの間に埋め込んだフォレストボードの上に
直に分厚い無垢フローリング材を張り重ねて仕上げます。

で、なぜ杉なのか・・・。

杉などの針葉樹は広葉樹に比べて空気を多く含むので、
柔らかく温かい肌触りが特徴です。
この杉の板を分厚く用いることで、断熱調湿材としての役割も持たせられます。

柔らかいぶん傷が付きやすいのですが、
使い込むほどに木目(年輪の硬い部分)が際立ち風合いが増します。
凹みなどの傷は、蒸気で回復させることもできます。

また、酒樽や枡や割箸に使われることからも分かるように、
そのほのかな甘い芳香からリラックス効果もあります。

そのうえ、杉なら比重が0.4程度と軽くて、切りやすいので、
分厚くても作業性はそんなに低くなりません。
これが広葉樹なら、こんなに分厚いと重くて硬くて、とても作業になりません。

さて、用語について・・・。

「赤身」勝りの「源平」とは?
杉は心材と辺材の色がはっきり分かれているのが特徴です。
心材は赤っぽく硬めで腐朽にも強く、
辺材は白っぽく柔らかいけれど耐久性はあまり高くありません。
その赤白を源氏と平氏の紅白合戦になぞらえて、
心材(赤身)と辺材(白太)が混ざっている材を源平と呼ぶのですが、
ウチのフローリング材は赤身のほうが多めということです。
で、「小節」材とは、
木材は節の量によって等級が決まっていて、
「無節」「特選上小節」「上小節」「小節」「一等」と、節の数が増えていきます。
この言い方は産地や製材所によって多少違うようですが、
ウチの場合は節が少しあるけど節だらけではないという意味です。

話しを戻して、ウチの床板(フローリング)の施工・・・。


いくら杉が軽くて切りやすいといっても、
40mmもの厚みがある長い一枚板を部屋に合わせて採寸して切り、
本実を突き合わせて隙間なくはめ込んでいくのは大変な作業です。


2日目・・・。


柱の出っ張りなどを細かく切り欠きながらですから、
電動丸鋸だけでは無理で、手引き鋸も必要です。
それに、部屋の一方の端から板を接いでいって、
反対側の端の最後の板をはめ込むのが、これまた難しい!

3日目・・・。

3日目には、同時施工の小上がり書斎の床ができました。

1階もここだけには畳が敷かれるので30mm厚の杉板ですが、
床下には収納スペースがあり、開けられるようになっています。
窓際にはカウンターが設えられ、掘りごたつのように腰掛けられるようになります。

4日目へ・・・。

4日目には主だったところの床を張り終え、
ついに「土足禁」に!・・・文字どおり家に上がる体裁が整いました。

残るは階段下の納戸と、トイレと洗面所と脱衣場、細かいところばっかり!

そして5日目、今日中に終えたいと鋭意作業。
ギリギリ予定どおりの午後6時、
最後の板をはめ、打ち付けて・・・

完成!「何とか間に合いました。」・・・ホッとした棟梁。

建て方~上棟のときから思っていましたが、
棟梁の作業スケジュール運びって、いつもピッタリ! ほんま感心させられます。


脱衣場の床。すぐに養生シートが敷かれ、この美しい杉板も、当分は見納め。

とりあえず床ができたので、3日ほど現場作業はお休み。