大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

VOCが好き! 新車のニオイと健康被害 ・・・ シックカー症候群 ~ 24時間換気システム義務付ける?!

今週に入り内壁の壁土塗りが始まったことを
9/1「​土壁~左官の仕事、雨樋~板金屋の仕事・・・職人の技の綾​」の稿で触れましたが・・・。
木組み土壁の新築現場に入ると、清浄な香りに包まれます。
(ただし今は、木の微細紛が舞っていますが・・・。)

ところで・・・。

VOC(Volatile Organic Compounds)= 揮発性有機化合物
トリクロロエチレン」「テトラクロロエチレン」「ホルムアルデヒド
トルエン」「ベンゼン」「キシレン」・・・といった物質。

> 調査のなかで、「新車のニオイが好きですか」と問われたところ、
>「とても好き」22%、
>「どちらかといえば好き」50.3%、
>「どちらかといえば嫌い」22.3%、
>「嫌い」5.5%という結果となりました。
> 調査対象となる800名のうち、約7割以上の人が
> 新車のニオイを好んでいることが判明しています。

・・・こんなボルボ・カーズ・ジャパンの調査があるとの記事を
「​くるまのニュース​」に見つけました。
新車のニオイによる健康被害が懸念されています。

> おもな症状は、頭が痛い、くしゃみが止まらない、頭がボーッとする、
> 関節痛、発疹(痛み・痒みを伴う)、微熱、めまいなどです。
> これらの症状が新車のニオイで起こり得ることについて、一部の専門家の間では
> シックハウス症候群に関連付けて「シックカー症候群」という名称でも浸透しています。

厚生労働省でも、室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法についての
基準を設けているそうです。

そう、新車のニオイ、あれ、新築のニオイなんですよね。
それを7割の人が「好き」と感じてしまうところに怖さがあります!

動物は本能的に、害のある物を嗅ぎ分ける力を持っています。
なのに私たちの多くは、この匂いの危険性を嗅ぎ分けることができない・・・どころか!

かく言う私も、当初は建売り住宅を見に行って、
「わぁ! 新築のニオイ(^o^)/」って喜んでいたんですよね。

でも、その喜びが、確実に健康被害を招いているのです。
シックハウス症候群として症状が出ないまでも、少しずつ確実に。
現代人にアトピーや心の問題や障害などが増えているも、語弊を恐れず言えば、
マイホームからの化学物質の被曝が一因ではないかと、私は根拠なく疑っています。


昔の日本の家は、自然素材100%でできていたので、
シックハウスなんてあり得ませんでした。
密封できないので、そのぶん寒かったようですが、暑くはありませんでした。

ちょっと以前の家は、新建材が導入されましたが、
隙間が多かったのでシックハウスは問題になりませんでした。
アルミサッシで比較的気密性が向上することで寒さはマシになりましたが、暑くなりました。

今の家は、新建材や合板や集成材など化学物質を蒸散するものの塊になってしまい、
しかも高気密高断熱が追及されるなかで、シックハウスが社会問題となりました。
家を密封することに伴い、電気機械がないと換気も室温調節もできなくなってしまいました。

その24時間機械換気の義務付け、2003(平成15)年の改正建築基準法によるもの。
そもそもの主旨は、新築の室内の化学物質の充満による
健康被害が酷くなったことによるものです。

命と健康と暮らしを守るべき家が、
化学物質過敏症という治癒が困難な重い病気を新たに生んだのは、
皮肉なことです。
(参照:「​化学物質過敏症について​」NPO化学物質過敏症支援センター)

命と健康と暮らしを守るべき国は、
あろうことかその化学物質の発生源を根絶しようとせず、
法で規制された“危険物質”は13物質の中の
僅か2物質(ホルムアルデヒドクロルピリホス)のみ。
法律を守っても家族の健康は守れない状態を公式に認めたに等しいのです。
(参照:「​建築基準法に基づくシックハウス対策について​」国土交通省

車の基本性能は、走りと安全性。居住性はその次、文字どおり居住するわけではない。
新車のニオイ・・・。
乗っている時間は限定的だし、窓を開けて走ることもできます。

でも、家の基本性能は、命と健康と暮らしを守ること、まず居住性!
新築のニオイ・・・。
一日の半分以上を家で過ごすのに、今の家は機械による温熱環境維持のため、窓を開けるな!と。

そんな、目に見える見えないに関わらず体を蝕み続ける家が、
家の基本性能を満たしていると言えるのでしょうか?!

8/27「​日本の家は遅れている? 高気密高断熱は最優先事項?・・・​」の稿でも
24時間機械換気の義務化について問題提起しましたが、
高気密高断熱なら、脱VOC(揮発性有機化合物)とセットでないといけない!

それ以前に、日本の気候風土に適した日本古来の建築法で、
そこに現代生活のニーズを盛り込むことで、
家の基本性能は十分満たせるのではないでしょうか。


新築のニオイを喜んでいた私たちが​日伸建設​と出会い、
奇しくも木組み土壁の家を建てることになり、
この家の完成形が見えてくるにしたがって、
ますますその思いが強くなってくるのです。
 
(参照:国交省「気候風土適応型プロジェクト2020」を決定しました!​)

8/25(火)に北面から始まった外壁材張り。→西面→南面ときて、
今日は東面が終盤にさしかかり、もうすぐ1周です。