近畿地方では、5月からと異例の長さだった梅雨が昨日で明け、
昨日も今日も最高気温は33℃!
我がまち枚方は、最高気温日本一の日が年に何度かあるくらい暑い土地柄。
家の正面、東側には容赦なく朝陽が照りつけます。
4月から3か月間エアコンなしで快適に過ごしてきましたが、
7月に入ってからは30℃を超えだしたので除湿/弱でエアコンを使い始め、
今日も29.5℃/65%で不快指数80に迫り(79.9)だした9時ごろから弱除湿を始めました。
昨日に続き今日も外からそよ風が入ってくるので、実はまだ不快感はありません。
けれど煮炊きしているキッチン周りや、
陽が直接射し込んだり地面の照り返しのある窓際は、モワッと暑い。
7/10稿「伝統構法の家の温熱環境…前半期」で触れたエアコンを入れる目安、
この家の場合、不快指数80(やや暑い/暑くて汗が出る境界)に迫る頃というのが、
ちょうど体感的にちょうど良さそうです。
外気が最高気温に達した昼過ぎ。33℃といっても温度計は無風の日陰。
日向の体感温度は、それどころではありません!
エアコンをかけるときは、縦横自在に開けられる障子も閉めておきます。
この1間幅で全開できる掃出し窓だけは樹脂アルミ複合サッシではないので、
熱伝導率の低い障子がアルミの熱放射を和らげてくれます。
それと、軒が深いお陰で、昼になっても南側の壁面には日射が当たっていません。
この家の外壁は杉の無垢板と通気層と土壁だけで断熱材が入っていませんが、
文字どおりこの日陰のお陰で冷房効率がいいのです。
ところでこの時季、エアコンの電気代を節約する方法みたいな記事が、
次々と見られます。こまめに消す? 点けっぱなし?
でも考えてみると、そもそも点けないのがいちばん安くつくんちゃうん?
エアコンの稼働日数が少なくて済む家を建てるのが、
いちばん省エネでSDGsちゃうん?!
ということで昨日、梅雨明け初日の7/17(土)、
石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の家の一日の気温と湿度を、
エアコンなしで記録してみました。
同じ階でも部屋によって多少数値が違うので、
温度は0.5℃単位、湿度は小数点以下四捨五入の、いずれも概数です。
7:30 27.5℃/65% 27.5℃/60% 27.5℃/64%
12:00 29.0℃/60% 30.0℃/60% 31.0℃/55%
14:30 31.0℃/55% 31.0℃/55% 33.0℃/50%
18:30 30.0℃/55% 31.0℃/55% 31.0℃/55%
21:30 30.0℃/55% 31.0℃/55% 29.0℃/55%
一昨日7/16は曇りがちだったので、一日中エアコンなし。
昨日7/17朝は、障子を開けると朝陽が家の中に射し込み、すごい蝉の大合唱!
暑い一日になる予感。
強烈な朝陽が射し込む東の窓に、さっそく簾をかけました。
障子に映る影がなかなか美しい。
これで日除けも兼ねて、お向かいさんの視線も気にならず、窓を全開できます。
上の一覧を参照していただくと、
日中は屋外に遅れて室温が上がり始め、最高は外気温-2℃。
それ以降、日が暮れて外気温が下がってきても、ほぼ一定です。
湿度は、よく晴れてどんどん下がっていく外気に対し、
室内はずいぶん遅れて、昼下がりにようやく外気と同じぐらいになって安定。
木地表し無垢材と土・土漆喰壁の温熱環境の特性が、
如実に表れているといったところでしょうか。
まさに素材のもつ蓄熱性ゆえの、緩やかな変化だと言えるでしょう。
最高室温だった31.0℃/55%の不快指数は、80.4(暑くて汗が出る)、
それ以降の30.0℃/55%は79.1(やや暑い)。80が数値上の境界。
それなのに、なぜエアコンなしで過ごせるのか?
もちろん扇風機は点けています。けれど、炊事はしていません。
煮炊きをすると、やはりかなり暑く感じます。
やはり通風が、大きな要因だと思われます。
外からの視線を自在障子で遮りつつも、窓は全開。
外からの視線を自在障子で遮りつつも、窓は全開。
上の方だけスリットシャッターを下ろしています。
昨日は一日中、南東~東の風、風速5m/sほど。
「やふぁやふぁ」とそよ風が窓から入ってきます。
(☝click)
〽 うりずんのごと(=如)に肝心持てば(ウリズンぬぐとぅにチムグクルむてぃば)
〽 浮世荒波も糸(=絹)の上から(ウチユあらなみんイトゥぬうぃから)
〽 サーうりずんの風よ(さーウリズンぬカジよ)
〽 やふぁやふぁと吹けよ(ヤファヤファとぅふきよ)
〽 浮世荒波も糸(=絹)の上から(ウチユあらなみんイトゥぬうぃから)
〽 サーうりずんの風よ(さーウリズンぬカジよ)
〽 やふぁやふぁと吹けよ(ヤファヤファとぅふきよ)
最高気温は30℃近くに達しますが、やふぁやふぁと吹きぬける風は心地いい。
そんな風が、昨日は一日じゅう家じゅうを吹き抜けていたんです。
そんな風が、昨日は一日じゅう家じゅうを吹き抜けていたんです。
家の温熱環境や心地よさは、決して温度/湿度、不快指数だけで言い表せるものではありません。
吹き抜ける自然のそよ風の風量は、扇風機の比じゃない!
外の風を採り込むことで、31.0℃/55%でも、蒸し暑くは感じないんです。
そして日暮れ。
外と家の中の温度湿度はほぼ同じなのに、窓際は風を直にかなり涼しく感じる。
窓辺の夕涼みの絵そのまんま。日本の夏って感じです。
夜9時になり、さすがに街中なので、リビングの窓を閉めました。
すると、室温も湿度も変わらないのに、だんだん暑く感じられます。
これを書いている書斎窓際のカウンターデスクは、窓からのそよ風で涼しい。
ただし! ・・・
いくら木と土の家でも、エアコンなしでこう言ってられるのは、
いくら木と土の家でも、エアコンなしでこう言ってられるのは、
こまめに窓の開閉して採風を調節するというのが前提としてあります。
これをメンドクサイと箱に閉じこもっていたいタイプの人には向かない。
それと、春から夏にかけて体を暑さに慣れ(暑熱順化)させてきたからこそ。
今の段階でエアコンの冷気に体が慣れてしまっていては、こうはいかないと思います。
あと、基礎代謝の問題。
なんだかんだ言っても暑がりの人はやっぱりいるもんで、
体温が湧いてくる体質、体温がこもる体質の人は、無理しない方がいいでしょう。
ただ、体温調節しているのは、脳の機能。
そして汗腺の機能も、子どものうちにつくられるもの。
そういう意味では、エアコンに頼らざるを得ない機械仕掛けの家にこもっているようでは、
温熱環境の向上のために新機軸を開発しなくても、
高気密高断熱や機械仕掛けに頼り切らなくても心地いい健康的な家が、
日本の伝統的な家づくりの中で既に確立されていることに目を向けようって話し。
7/15稿「木と土の家に住まう…」で、木の家ネットの日高さんのお話しに触れたように、
空気加工による快適さだけではなく健康の観点からも、
温熱環境を考えてみてはいかがでしょう。
日本の伝統的な家には、欧米の外界と閉ざされていることを旨とする家と違って、
外に向かって開かれていて外と繋がっているという哲学があるように思います。
こうしてここに暮らしていて、
日高さんのおっしゃる「暮らしの哲学に応じて選択できる仕組み」が望ましい・・・
それを実感しています。
今日の話しに戻って・・・。
午後、最高気温33℃、室内はエアコン(除湿/弱)のお陰でずっと29℃。
ウチの老犬を連れて動物病院に入ったら、寒い!
エアコン、26℃設定? いや24℃設定ぐらいか?
働く身としては、これくらいがいいのかな? それにしても、この温度差はこたえる。
診察が終わって外に出ると、一天にわかにかき曇り、稲妻と雷鳴。
スマホを見ると、今31℃らしい・・・陽射しがなければこれくらいがホッとする。
帰路、バケツをひっくり返したような大粒の土砂降り。
昨日と違って窓を閉め切ってエアコンをかけといて出かけて良かった!
帰宅したら外は実測29℃。涼しくなったようだが、湿度は70%で蒸す。
絵に描いたような夕立。
でも、ま、これで焼けたアスファルトも屋根瓦も冷まされた。
絵に描いたような夕立。
でも、ま、これで焼けたアスファルトも屋根瓦も冷まされた。
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