大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

浴室ドアは引戸?折戸? … 折戸も意外といいじゃない! ~ 浴槽の配置の工夫も

昨日(4/25)はよく晴れて30℃に迫る暑さだったのに、今日は雨!
変わりやすい春の天気の典型です。

今(19時半頃)はかなり降っていますが、
掃出し窓は1間幅全開して、外の空気を直に感じています。



夜なので採風雨戸は閉めて、目隠し障子も閉めていますが、
通風しながらも軒が深いので、雨が吹き込むことはありません。

日本は年間晴れ日数があまり多くありません。
大阪は瀬戸内式気候なので比較的多い方ですが、それでも偏差値60に満たず。
再生可能エネルギーとして太陽光発電は、あまり効率がいいとは言えないのでは?


そんなことを思った今日、
我が家を施工した​日伸建設​から、こんな動画の紹介が・・・。

以前にこのブログでも取り上げたことのある、​ラクジュ建築と不動産​の本橋さん。
2年以上前の動画ですから既に知っていたんですが、あらためて見てみました。

太陽光発電がダメっていうんではなく・・・。
家庭用太陽光発電パネルの屋根搭載推進まっ盛りの今、
安易に迎合するわけではない実直な姿勢に、とっても共感できるものです。


さて、またマクラが長くなってしまいましたが、今日の本題。
4/10稿​「洗面所は造作洗面台・・・」​の続きで、今回も水回りシリーズ。

4/10稿に掲載の平面図でお気づきと思いますが、
我が家の浴室ドアは折戸になっています。

最近は引戸を勧められることが多いと思います。
開けやすさの観点からと、浴室の洗い場で人が動けなくなったとき、
内側に押し開ける折戸は開けにくくなるという非常時の観点からです。

けれど、引戸の場合はここを薄い半壁にしないといけないのですが、
この家の場合はここは太い柱と土壁なので、半壁にできなかったんです。

引戸にしたかったなぁ・・・と思っていたんですが!
ところが実際のところ使っているうちに意外と、
折戸にして良かったと思うようになってきました。


というのは、ひとつは、
浴槽に浸かったまま、左手を伸ばして折戸を押し開けられるから。



引戸だと開くのは浴槽の対面の壁側。
折戸だと浴槽側が開くので、湯船に浸かってほてった顔に
直接涼気を感じることができて心地いいのです。


そしてもうひとつは、
洗濯機の風呂水ポンプが、折戸を少し開けるだけで最短の距離で浴槽に届くこと。



折戸に比べて・・・


引戸だと、洗濯機から離れた壁側から開けることになり、
洗濯機からホースを浴槽まで浸けるのが遠くなってしまいます。


最近は風呂の残り湯で洗濯するのを敬遠する人が増えているようですが、
残り湯は温度が高いので、特に冬場は洗剤が溶けやすく、洗浄力もアップするので、
節水というだけではないメリットがあります。

さらにここでミソは、
浴槽を浴室入口の対面ではなく、側面に設置してあること。

風呂水ポンプが浴槽に届きやすいだけではなく、
窓の開閉に手が届きやすいのです。
浴槽越しに窓を開閉するのは、たかが80cm幅のことでも高齢者には危険です。


そして3つめは、
入浴後に換気扇を回すとき、浴室ドアからの隙間風を効率的に利用できること。

換気にあたっては、ドアを大きく開放するより、
隙間風の方が風速が上がるので、効果が高いのです。

その隙間風を導入する場合、
引戸だと壁側に縦に細くしか開けられません。



けれど折戸だと、浴室の中心に縦に細くと、
床面際と天井際にも隙間を開けられます。

つまり、特によく乾いてほしい床と、
水滴のしたたる天井と、風呂蓋にも効率的に
換気扇から吸い出す気流が当たりやすいということです。

そのことは、以前の浴室折戸は下の方にガラリがあったことからも分かります。

それは下の方の隙間から効率的に吸気し、上の換気扇から排気するためでしょう。

今の折戸は、そこに汚れが溜まるのでガラリはありません。
だから、折戸は引戸より掃除が大変というデメリットは、
かなり解消されています。

それと、浴室内で人が倒れたときなどの非常時の問題。
イザというときには折戸はフックで外せるようになっています。
外し方も書いてありますので、そう心配はいりません。




というわけで、たかが浴室ドアといっても、なかなか奥が深いものです。

何を重視するかや、家の構造や間取りなどにもよりますが、
家づくりにあたってはしっかりと打ち合わせして、
何にせよ納得が得られるといいですね。