大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

畳暮らしと朝陽と夕陽 … 便利さと美しさと ~ 畳と障子の再評価

今日はエイプリルフール。気の利いたウソでも書けたらいいんですが、
ホントに思ったこと・・・。


今朝、懇意にしているお寺にお参りに行ってきました。
ふと、東から障子越しの清々しい陽射しに気付きました。
畳を照らす朝陽が、なんとも美しい。


本願寺阿弥陀如来を西側に配置しているので東向きなんですが、
このお寺は街の区割りから真南を向いてるんです。
昼間は軒がかなり深いので陽は射さないんですが、朝7時、いい時に遭遇できました。

で、我が家はと言えば、お彼岸の頃以降、東向きの玄関ホールにまた朝陽が射し始めました。
我が家の立地は東側が丘なので、冬の間は朝なかなか陽が昇ってこないんです。
夏至の頃はもっと射すんですが、今ごろの柔らかい朝陽もなかなかいいもんです。

この時期になると2階の東側の部屋にも、朝から陽が射すようになります。
この障子越しの柔らかい陽射しの下、「春眠不覚暁」と洒落こみたいところ。

☝この障子は全開できるようになっていて☟、メッチャ明るくすることもできます。

畳の床に射す日光と格子の影のコントラストが美しいんですが、
散らかっていて残念ながらお見せできません・・・。


ところで、二十年来ためこんできた大量の書類を、
先日からようやく整理し始めたんです。

なんせものすごい量なので、並べ替えて分類して整理するには、
相当大きな机でも載せきれません。

そこで便利なのが2階の畳を敷き詰めた部屋。たった6帖の部屋です。

座布団を中心に縦横に動きまわって、必要なものを探しまわれます。

部屋としては決して広くはありませんが、そんなに大きな机があるわけでもない。
洋室にテーブルの暮らしでは、なかなかこうはいきません。

この書類とは、工工四。クンクンシーと沖縄の言葉(ウチナーグチ)で読むんですが、
三線(サンシン=沖縄の蛇皮の三味線)の楽譜です。

漢字で棹を指で押さえるポジション(チブドゥクル)が書いてあります。

畳の部屋の便利さは、
でも取り上げたところです。

その掲載写真を目に留めてくださった鈴木あるの先生(京都橘大学)のご縁で、
日本建築学会:日本建築和室の世界遺産的価値ワーキンググループの
ZOOMディスカッションにお招きいただいたことも​2022/10/1稿​で述べました。

そして、その写真が、
「和室礼讃」という本の鈴木あるの先生執筆のページ「畳む」に掲載されました。

帯の「和室では作業途中で寝そべったって問題ない。曖昧で適当でいい。」
という養老孟司の言葉が全てを語っている・・・お勧めの本。


我が家は「木と土と草と紙とでできた家」をコンセプトとした
石場建て伝統構法の家ですが、何度も触れているように、
とりたてて「和室」をつくりたかったというわけではないんですが・・・。

それにしても、6帖=畳6枚分=3坪。平方メートルで言われても・・・。
畳で言われると誰でも広さが具体的にイメージできる。
これって当たり前のようで、すごくないですか!

畳の使い勝手の良さは、日本の家の洋室にも取り入れて然るべき。
縁なし畳や和紙畳など今はいい現代風の畳もあることですし、
合板フローリングにするぐらいならぜひ畳をお勧めしたいところです。


さて、今日は大阪は4/1にして夏日、最高気温25℃との予想。
3/22には既に観測史上最早の夏日、恐ろしいぐらいです。
この分だと真夏には60℃?!(・・・エイプリルフール)

ウチから程近い天野川河川敷、
天津(アマツ)橋〜禁野(キンヤ)橋界隈も、先週末から見頃を迎えています。

河川敷ならではの菜花との取合せ。

貴族の狩猟地としての枚方(ヒラカタ)禁野、交野(カタノ)が原…七夕伝説の天野川流域は、
千年前平安時代以来の片野桜の名所です。

3/27には大阪で桜の満開が発表されました。
開花は観測史上最も早く、満開も二番目に早かったとか。
入学式には葉桜? 早過ぎる春本番も、これがスタンダードになるんでしょうか。


汗ばむ陽気の花見から帰宅して玄関に入ったら、ヒンヤリ爽やか。
築2年なのに古民家のようなこの感覚は、無垢材土壁の家ならでは。
外では近所の子どもたちと賑やかな声が微笑ましい。

そんな今日ののどかな家での昼下がり、
太陽は次第に西へ、このあと夕方はと言えば・・・。

5日前3/27のことですが、仕事から帰宅してもうすぐ6時という頃、
ふと西側の台所の窓が夕陽に染まっていることに気付きました。

気付いたというのも、冬場は南西に迫った隣家の陰になっているからです。

それで2階へ。西側の畳の部屋に上がってみると、
こちらも障子が茜色に染まっています。


障子を開けてみると、もうすぐ陽が沈もうとしているのが見えました。


これから夏至に向けて、​2021/5/4稿☟​で述べたように、
夕焼けの日没が楽しみな時季に入っていきます。


今どきの家づくりは高気密高断熱を言うがあまり窓不要論さえ喧しいようですが、
季節によるお天道様の光の移ろいを窓を通して愛でることのできる家・・・。

畳敷きの部屋の使い勝手の良さや美しさもあわせて、
そんな豊かさに結びつく家づくりを考えてみるのもいいんじゃないかと思うのです。