大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

伝統構法に薪ストーブ … じゃない!わけ ~ 住宅地には向かない?

今日(11/9)からまた急に寒さがぶり返してきました!

10/24稿「​こんなところにも木組みの技・・・​」の冒頭で、


・・・と書いて以降、また最高気温21~22℃の日が続き、
昼も夜も暖房なしで過ごせる日もありました。

そんな暖かめの日とはいえ最低気温は12~13℃にまで下がるんですが、
昨日までは土壁の室内は、暖房なしにした日でもずっと20℃台を保っていました。

土壁は蓄熱性が高いので、温度が下がっていくのがゆっくりなんです。
ただ、冷え切ってしまうと逆に温めるのに時間がかかるので、
最高気温が20℃に達しない日はエアコンを使って室温を20℃台に保っています。

今日からは、そんな最高気温が20℃に達しない日々が続くという天気予報。
最低気温も10℃を切り始めると、やはり直火が恋しくなります。


我が家はここで言うまでもなく、石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の家。
・・・なのに暖房はエアコン? 当然、薪ストーブなんじゃないの?
・・・そんな声が聞こえてきそうです。


確かに自然志向のこの家には薪ストーブが似合うし、ふさわしいと思います。
我が家にも、できることなら欲しい! もちろん薪ストーブの設置も考えました。

けれど、それは単に憧れ。
早々に諦めました・・・というより、敢えてやめました!

はじめにお断りしておきますが、ここでは薪ストーブについて、
否定的な論調で述べています。けれど、薪ストーブを否定したり、
薪ストーブを使ってらっしゃる方々を否定的に見るものではありません。

薪ストーブは、素敵です。
その魅力については私が言わなくてもWEB上にもいくらでもありますから、
そちらに譲りたいと思います。


(大磯町HPより)☝

で、この家に薪ストーブを導入しなかった、その理由・・・。

第一に、我が家は狭くて部屋の幅が2間しかありません。
なので、炉台(耐熱床/壁)や煙突の配管と、家具の配置などの兼ね合いを考えると、
薪ストーブを設置する余地がありません。
​​​​
第二に、燃料の薪が気軽に手に入らないだけでなく、​
薪をストックする場所も、薪を割る場所も、
燃えカスを処分する場所もありません。

第三に、薪ストーブは着火や消火に手間がかかります。
また、煙がほとんど出ないように燃焼させるのも、手間がかかります。
たびたび外出する家庭には、不向きだと思ったからです。

第四に、薪ストーブはメンテナンスに手間がかかります。
手間を惜しまない暮らしには憧れますが、
我が家のライフスタイルには不向きです。

第五に、薪ストーブは暖房器具としては高価すぎるということもあります。
買ってきて置くというわけにはいかず、専門家による施工も必要なので、
安いものでも数十万円から、まともな性能を考えると百万円以上かかるとのこと。

第六に、しかも耐用年数は10年~30年といわれているそうで、
そのつど買い替えるか大規模オーバーホールをするというのも、
経済的には厳しいところです。

第七に、排煙や臭いによる近隣への迷惑の問題が大きいです。
我が家には、隣家の台所の換気扇からの排気が毎日のように匂います。
調理は短時間ですが、暖房だと長時間に及び、事実上日中は使えません。



さて、薪ストーブによる排煙や臭いによる近隣への迷惑の問題・・・。
こんな切実な訴えがブログに挙がっていたので、ご紹介しておきましょう。
​[参照↓click]​​

また「薪ストーブ ご注意」で検索すると、
たくさんの市町村HPの注意喚起のページが挙がってきます。
​それだけ苦情も多いということでしょう。

(苫小牧市HPより☟)
​​
​​​
「薪ストーブノート」​というサイトによると、


なんだそうですが、煙が出ないように完全燃焼させるのは、
それなりの焚き方をする必要があります。
蒸気機関車が煙を力強く上げているのは、実は不完全燃焼の状態です。

​↑完全燃焼の場合 : 不完全燃焼の場合↗​

私には、燃焼具合を確認しながら適切に使用する自信がありません。


そして、燃料の薪について・・・。

その薪の樹種についてですが、
​一般的には薪として針葉樹は不向きだとされています。
​[参照↓click]​
「広葉樹と針葉樹の薪燃料としての特徴は? 針葉樹は薪ストーブに使用してOKなの?」
​​

じゃあ、都市部では薪は何をどうやって手に入れるのでしょう。

我が国の場合、あり余っている(ハズ)の木は、杉など針葉樹の間伐材です。
つまり燃料として利用促進したい木は、
一般的な薪ストーブに向いていないことになります。

それなら、大量に捨てられている建築廃材を工務店から譲ってもらえば?
けれどそれも、無垢材でもほとんど針葉樹。
というより、今や多くが合板や集成材。

合板や集成材は合成化学接着剤を用いているので、
薪として燃やすことは絶対にいけません!

ということは、日本に薪ストーブは、一般論として向いていない?

建築廃材や人工林から手軽に針葉樹の薪が手に入るなら、
針葉樹に適合している機種を選ばないといけません。

日本に適した針葉樹の薪を遠慮なくくべられる薪ストーブを扱っている、
伝統構法にこだわって施工している工務店もあります。
大阪の近隣なら・・・

美山里山舎​(京都・美山)
トロワ建築​(兵庫・宍粟)
木造建築東風​(奈良・御所)

全国的には、​(一社)職人がつくる木の家ネット​に
問い合わせてみるといいかもしれません。


そんな薪ですが、1~2年の自然乾燥が必要なんだそうです。
そして自宅で長期間湿らさずにストックしておく必要があるということ。
都市部の家で、そんな場所がどこにあるというんでしょう?

少なくとも敷地が30坪ほどの都市近郊地域で標準的な広さの我が家には、
そんな余地はありませんし、
そんな自然乾燥の薪の生産者は、近くにはありません。

じゃあ、機械乾燥の市販の薪を買ってくる?
遠くの山の生産者から買ってくる?

石油を燃やす機械乾燥に頼るのは本末転倒だし、
遠い産地から石油を燃やして走る自動車で運んでくるというのも、
薪という燃料の性格の本質から言うと、本末転倒ではないか。

なんか、薪ストーブについて、
いろんなことが腑に落ちないんです。

隣家と十分距離をとれる農地や山林などの立地、
裏山でいくらでもタダで薪を集めてこられる立地などには向いていますが、
我が家のような都市近郊の住宅地のようなところには不向きじゃないか。

そんなことを考えながら検索していると、
薪ストーブを愛用している方が薪ストーブに関する情報を紹介している
「魅惑のアンコール」​というサイトがありました。

そこでは、
「薪ストーブの煙が迷惑!ご近所のストレスはピークに達しています」と題して、
以下のように結んでらっしゃいます。

薪ストーブは、とっても素敵な暖房器具だと思います。
遠赤外線による輻射熱なので、体の芯から温まり、血流も代謝も良くなります。
炎を見ることによるリラックス効果も期待できます。

これらは、空気を温めているだけのエアコンにない大きな利点。
しかも、うまくいけば地産地消。災害時にも強い。

一方で、好ましく思っていない人もいることを知ったうえで、
お互いが納得し理解し合えるような普及が図れるといいなと思います。


我が家の場合は、薪ストーブを導入しなかったのは、
要は立地の問題とコストパフォーマンスの問題。
結局、必要性を感じなかったんです。


(プロカメラマンが撮ると、広角レンズで実際以上に広く見えますが・・・)


実は我が家の、家じゅうを一つの部屋のように暖房する間取りは、
薪ストーブ向きではあるのですが、
ここは比較的温暖な「​地域区分6​」だし、エアコン1台で十分。

とは言いながら、
真冬は直火に当たりたいこともありますけどね!

​​​​(一気に手をかざして暖まりたいときは、ガスストーブを短時間!)​​​​