大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

木造建築は火災に弱い? … 炭化層/ヒートブリッジ ~ 木造保育園の全焼から

先日(5/12)、木造平屋建ての保育園が全焼してしまいました。
三重県いなべ市の市立笠間保育園。出火原因は調査中。
夜中だったこともあり、ケガ人がなかったことは幸いでした。

この園舎は、建材や内装に県産スギをふんだんに使ったことが特徴で、
同年の木材利用優良施設コンクール林野庁長官賞を受賞した建物だそうです。

「木のぬくもり」をコンセプトに建築されたこだわりの園舎。
建築にあたって園長先生が最初に提示したイメージは、
「みんなが一つになれる」「こどもたちが自由に裸足で走り回れる」保育園。


​設計:株式会社アール・アイ・エー​
(link☞ ​建築作品デザインストーリー​ / ​建築作品ギャラリー​)

2013年3月に竣工してまだ十年も経っておらず、
百年後が楽しみな建物だっただけに本当に残念ですし、
何より子どもたちのショックを思うと、本当に悲しいことです。

出火原因は、前日に屋外で使った七輪の疑いがあるそうです。
園児と七輪で豆を焼いて食べるなんて、本当に素敵です。

子どもの頃から直火の扱いに親しんでおくことは、とても大切なこと。
でも若い先生方も、もしかしたら七輪の扱いに不慣れだったかもしれません。

七輪で注意しなければならないのは、消火後の「炭の始末」。
水を掛けて火が消えたと思っても、炭の内部で燻っているものです。
酸素を遮断して完全に消火を確認しないと、屋内に収納してはいけません。

それと同園には、スプリンクラーが設置されてなかったそうです。
建築基準法的には大丈夫だったんでしょうけど、
私の地元大阪府立の学校でも要望に反して設置されていない学校があります。

子どもたちがいる時間の火災だったらと思うと、ゾッとします。
法律も法律ですが、まず子どもたちの安全安心の保障を、
学校・園の設置者は第一に考えてほしいものです。


さて、こうして木造建築が火災に遭うと、
まず「木造」であることが問題にされる傾向があるように思います。
震災でも、木造建築の被害がことさら強調されるようです。

でも実際に火災において、
木造であることは、他の構造に比べて問題が大きいのでしょうか。
富田林市の「寺内町」、大阪府内唯一の「伝統的建造物」指定保存地区にある
19世紀後半築の中井家住宅が全焼してしまったことを取り上げました。

そこで、黒焦げになっても崩壊せず鎮火まで躯体を支え続けた木造住宅のこと、
火災における新建材の化学物質による燃焼ガスの問題について触れました。

先述の設計会社​アール・アイ・エー​によると、
「万一の火災に備えて燃え代を設計時に考慮することで、
床、壁、天井の露出部分も木構造でありながら、建物の耐火にも配慮しています。」とのこと。

この火災、施設規模が1700㎡と大きいとはいえ、鎮火に8時間もかかったとのこと。
それでも8時間も燃えて黒焦げではありますが、
​建物が崩落せず残っているところもあるようです。


​​東海テレビ5/12より☝link

なので、もし仮に中に人がいたとしても、
建物が焼け落ちる前に避難する時間は確保できていたはずだし、
有毒燃焼ガス(CO等)により意識を失い避難できなくなるリスクも低かったと思われます。

私が実際に見た建売住宅の火災現場、柱は建築基準法最低ライン3.5寸(10.5㎝)。
燃え代が考慮されていたとは言えませんが、それでも鎮火まで1~2時間で、
合板は焼け落ちたものの、柱や梁は表面が焦げただけ。

化学物質系の焦げ臭がたちこめ、エアコンは溶け落ち、
不燃材であるはずのビニルクロスやグラスウールも焼けています。


(株式会社OKUTA LOHAS studio所沢店のブログより​​link)

要は、勢い良く燃えているのは、木造躯体というより家財や付帯物の方。
このことは、軽量鉄骨造でもコンクリート造でも同じこと。

火災の燃焼温度は1200℃に達し、3m離れた隣家が受ける温度も840℃に達するそうです。
そして木材の着火温度は、260℃と言われています。

そう言われれば確かに木は燃えやすいです。
けれど木は燃えると表面が焦げて「炭化層」になります。

炭化層の内部には熱が伝わりにくくなり、また酸素の供給も断たれるので、
それ以上は燃え進みにくくなります。
ある程度の厚みがある木であれば、燃え進む速さは0.6㎜/分ほどだとか。

なので建築基準法最低ライン3.5寸(10.5㎝)の柱でも、
例え火に30分間さらされても、表面から2㎝弱は焦げるだけで内側のほとんどの部分は残るそうです。

ひと口に木造と言っても2×4なら太い柱はなく、細い材と合板だけの躯体なので、
在来工法より焼け落ちるのは大幅に早いと推察されます。

また木材は熱伝導率がかなり低い(約0.2W/m・K)のに対して、
鉄は熱伝導率が高い(約80W/m・K)ので、現代の木造在来工法の金物は、
強度確保に貢献する一方で、火災により木材に熱を伝導してしまいます。

柱やが炎にさらされると表面が焼けるだけでなく、
金物がヒートブリッジ(熱橋)となって木材を芯から発火させかねません。


軽量鉄骨造だと、その鉄そのものが柱や梁なので、
まず家財から炎が上がると構造全体が急激に高温になり、
躯体は燃えなくても出火箇所以外からの発火を誘発しかねません。

それを考えるとこんな構造体は、地震には強いかもしれませんが、

火災という観点からはどうも疑問を覚えます。

(同様に鉄の熱伝導率の高さは、冷気を防ぐ断熱性能にも悪影響を及ぼします。)

それに、実験で5×10㎝の木と鉄の梁に荷重をかけながら燃やすと、
鉄は5分後に元の強度の半分以下に、10分後には20%程度しか残らず、
荷重でぐにゃりと曲がってしまうそうです。
それに対して、木は10分経っても80%の強度を保ちます。

また温度で言うと、同一条件に設定した木と鉄の建材を加熱していくと、
鉄は550℃で強度が50%ダウン、木は5%ダウン。
木は700℃になっても23%しか強度が落ないというデータもあるそうです。

火災では、鉄骨だと熱で曲がって構造を支えられなくなるかもしれませんが、
木は温度が上昇しても変形しづらい素材なので、
そのぶん避難する時間を稼げるということができます。。


要は火災の場合、
一定時間内に建物が崩壊せずに立ち続けることが大切だということです。

何よりも大切なのは「命」
家が燃えない構造であることは、その次です。
どうせ火事になったら、半焼でも、木造だろうが鉄骨造だろうが改築では済まず、建て替えになります。

例え家の7~8割が焼け残ったとしても、
家じゅうに煤が回って、その後すべて使い物になりません。
現代の家は大壁で中空ですから、壁体内も石膏ボードも断熱材も全滅です。

我が家を新築するにあたって伝統木構造を選択したのには、
上述のような観点があったからです。



伝統構法では、何度もこのブログで述べていますが、
在来工法に比べて柱や梁が圧倒的に太いのです。
しかも仕口や継手に金具は使いません。

そのため火災になってしまったら、
燃えるのは燃えますが、それは何工法でもしょうがないことで、
伝統構法なら燃え尽き倒壊するまでの時間が長く、避難する時間を十分稼げます。

それに土壁ですから、完全耐火素材です。
部分火災であれば、塗り替えで修復できる可能性があります。
また、瓦葺きもあわせ、もらい火にも強いといえます。


木造建築物が火事になると、つい木造は火事に弱いとの印象が先立ちますが、
実際はそうとは限らないというお話し。

火災に強い工法の優劣を述べる論旨ではないけど、
伝統木構造は先入観に反して意外と火災に弱いわけではない・・・
耐火構造の観点からも選択肢に入るというお話し。



そして火災で本当に怖いのは、
有毒燃焼ガスにより避難行動ができなくなることと、
焼け落ちるまでの避難時間が確保できているかが問題というお話し。

家を新築するにあたって、高気密高断熱や耐震性能ばかりに目が向きがちですが、
残念ながら火災に遭ってしまったときのことも考えては?
・・・というお話しでした。


 

避けられなかった古民家解体 … 新屋再生プロジェクト ~ 京都府園部町本町

今日の話題は、石場建て伝統構法の我が家の話しではなく・・・。
と投稿したのを機に、その家はめでたく解体を免れ新たな歴史が始まったのですが、
こんどはもう手遅れという悲しく寂しいお話し。


園部(京都・南丹市)の本町通(旧丹波街道)にある「新屋(アタラシヤ)」。
ゆうに築百年という元造り酒屋さん。



解体の危機に瀕していたその古民家が
にぎわいコンソーシアム園部/カフェCocoCanとして蘇ったのが6年前の2016年。

息子が夫婦生活をスタートさせるにあたってシェアハウスするってんで
私も週末のたびに通ってDIY補修に協力した、私にとっても思い出の建物。

そのときでもかなり傷んでいたのを騙し騙し手を入れて住めるようにしたんですが、
ついに傾きが酷く崩壊しそうになってきたので土蔵を解体することになったとのこと。

漆器作家として修業を始めた息子が工房に利用していた土蔵。

私が照明器具を設置したので、一昨日(4/28)その撤去に、
今は園部の郊外に工房を移転している息子と行ってきました。


新屋再生プロジェクトの一環で地元の左官職人を招いて、
本漆喰を塗るワークショップも開催されました。

この壁側には以前は巨大な酒蔵が建っていて雨が掛からなかったので、
元は土壁(荒壁)が露出してたんですが、若者たちの手で白亜の漆喰塗壁に!

柱まで白いのは、スクリーンにしてプロジェクターで上映会をするため。

行って話しを聞くと、表の店舗建築以外は、土蔵だけではなく母屋も解体するとのこと。
土蔵は足元が崩れかかっており、

母屋も確かに6年前より歪みは酷くなっています。

新屋再生プロジェクトを立ち上げた地元の住職の話しでは、
江戸時代に園部川を北に移設した河床を浚渫土で埋め立てて
街を造成したのが本町通だとのこと。


道理で水が集まってきて湿気が酷く、白蟻を呼びやすい地域なんだそうです。
逆にそのお陰で良質の地下水が湧くので、いいお酒が造れたんでしょう。

既に電源はきてなかったので、土蔵の中は真っ暗。

大きな長持ちがまだ残っています。
6年前にはこれが積み上げられていました。

その奥の壁際に段梯子があったんですが、
その当時も少し傾いていたので、息子が反対側の床を大きく抜いて、

そちら側に段梯子を架け替えて、荷物の上げ下げをしやすくしました。

二階には立派な丸太梁が架かっています。

相当丈夫なはずなんですが・・・

いかんせん土台がやられているもんだから、

水路が通っている側は完全に崩れかかっています。

そちらがわの換気窓からは、庭と祠が見えます。

江戸時代からこの家と商いを見守っていたんでしょうか。

その庭に降りて母屋を見上げると、やはりかなり傷みが目立ちます。

縁側の掃出しのガラス障子。写り込みが揺らぐ昔ガラス。

冬以外は全開放して戸袋に収納する前提なので、レールは1本しかありません。

その縁側の床板は見事な幅広の欅(ケヤキ)板。

ただでさえ硬い欅、百年もの自然乾燥でカチンコチン!
補修に釘を打とうとしても歯が立たず、釘が曲がってしまったもんです。

北山杉の産地、美山と隣接しているだけあって、

天井を見上げると磨き丸太が美しく並んだ数寄屋造り。

欄間障子には松葉桟の職人技。

誰も触らず日も当たらず、百年経ってるのかどうか、まだ傷んでいません。

その座敷。床柱は、当時は珍しい南洋材の銘木唐木
タガヤサンか何かではないかと思われます。

ものすごく硬い木で、電動工具のない時代、加工は大変だったはずです。

百年前は造り酒屋として羽振りがよかったんでしょう。
棚の襖絵は銘入りの直筆もの。

これも、全くといっていいほど傷んでいません。

母屋の裏側の縁側は、
6年前も鴨居が下がってきていて、掃き出し窓が開けられなかったんで、

私がジャッキアップして杉丸太をツッカエに入れたものです。

裏側は陽射しがよく当たるのと井戸があるからなのか、傷みが表より激しく、

ここまでくるとリノベーション再生は難しい、解体対象の建物って感じがします。

足元の井戸から湧く水を引く池。息子が住んでいた頃は整備して、
金魚を飼っていたんですが、ものすごく元気に大きく育つそうです。

水質の良さは、さすが元造り酒屋です。

天井を見ると、もう使われていませんでしたが、
昔~しの2本配線と碍子の電線が残っています。


これ、今のVVFケーブルにない美しさとノスタルジーから、
今も木組みの家の新築で使いたいほど。
でも、敷設できる電気職人さんは、今やほとんどいないそうです。

そして、庭にあった桐製のボロボロの火鉢。
動かそうと持ち上げると底が抜けて、

その底板!何と文政三庚辰年(1820年)と。

文政年間には亀岡でマグニチュード6.5の大地震があったらしく、
この家はまだ建っていなかったでしょうけど、
このご先祖さんは被災していたかもしれません。

歴史のいっぱい詰まった建物が、
このゴールデンウィーク中に解体されます。
立派な木材や土蔵の壁土、再利用できないもんでしょうかね。




新屋再生プロジェクトが始まったのは、2016年。
その夏(7/9)の園部本陣夏まつりには、

私の地元枚方の子どもエイサー隊を連れて、一緒に参加しました。


今は長引くコロナで、こんな街の賑わいづくりの取り組みもできず、
園部の宿場町、古民家の建ち並ぶ街道沿いは静まりかえっています。

新屋再生プロジェクト。
私が今は亡き父の名義で寄付した、その父の名前が今も銘板に刻まれています。

これ、この古民家の古材の肥松(コエマツ)の板。
雨と西陽の紫外線に6年間曝され続けて、一切反ったりしていません。

この家のお向かいさんは、刃物屋さんと建具屋さん。
どちらも古民家のままで商っている職人さんの老舗。
でも、その街道筋を訪れるたびに、大手ハウスメーカーの家が増えています。

数百年の歴史ある街並みから、またひとつ街の財産が消えていきます。
 
 
【参照リンク】
新屋に関する私の​facebook​過去投稿は、

浴室ドアは引戸?折戸? … 折戸も意外といいじゃない! ~ 浴槽の配置の工夫も

昨日(4/25)はよく晴れて30℃に迫る暑さだったのに、今日は雨!
変わりやすい春の天気の典型です。

今(19時半頃)はかなり降っていますが、
掃出し窓は1間幅全開して、外の空気を直に感じています。



夜なので採風雨戸は閉めて、目隠し障子も閉めていますが、
通風しながらも軒が深いので、雨が吹き込むことはありません。

日本は年間晴れ日数があまり多くありません。
大阪は瀬戸内式気候なので比較的多い方ですが、それでも偏差値60に満たず。
再生可能エネルギーとして太陽光発電は、あまり効率がいいとは言えないのでは?


そんなことを思った今日、
我が家を施工した​日伸建設​から、こんな動画の紹介が・・・。

以前にこのブログでも取り上げたことのある、​ラクジュ建築と不動産​の本橋さん。
2年以上前の動画ですから既に知っていたんですが、あらためて見てみました。

太陽光発電がダメっていうんではなく・・・。
家庭用太陽光発電パネルの屋根搭載推進まっ盛りの今、
安易に迎合するわけではない実直な姿勢に、とっても共感できるものです。


さて、またマクラが長くなってしまいましたが、今日の本題。
4/10稿​「洗面所は造作洗面台・・・」​の続きで、今回も水回りシリーズ。

4/10稿に掲載の平面図でお気づきと思いますが、
我が家の浴室ドアは折戸になっています。

最近は引戸を勧められることが多いと思います。
開けやすさの観点からと、浴室の洗い場で人が動けなくなったとき、
内側に押し開ける折戸は開けにくくなるという非常時の観点からです。

けれど、引戸の場合はここを薄い半壁にしないといけないのですが、
この家の場合はここは太い柱と土壁なので、半壁にできなかったんです。

引戸にしたかったなぁ・・・と思っていたんですが!
ところが実際のところ使っているうちに意外と、
折戸にして良かったと思うようになってきました。


というのは、ひとつは、
浴槽に浸かったまま、左手を伸ばして折戸を押し開けられるから。



引戸だと開くのは浴槽の対面の壁側。
折戸だと浴槽側が開くので、湯船に浸かってほてった顔に
直接涼気を感じることができて心地いいのです。


そしてもうひとつは、
洗濯機の風呂水ポンプが、折戸を少し開けるだけで最短の距離で浴槽に届くこと。



折戸に比べて・・・


引戸だと、洗濯機から離れた壁側から開けることになり、
洗濯機からホースを浴槽まで浸けるのが遠くなってしまいます。


最近は風呂の残り湯で洗濯するのを敬遠する人が増えているようですが、
残り湯は温度が高いので、特に冬場は洗剤が溶けやすく、洗浄力もアップするので、
節水というだけではないメリットがあります。

さらにここでミソは、
浴槽を浴室入口の対面ではなく、側面に設置してあること。

風呂水ポンプが浴槽に届きやすいだけではなく、
窓の開閉に手が届きやすいのです。
浴槽越しに窓を開閉するのは、たかが80cm幅のことでも高齢者には危険です。


そして3つめは、
入浴後に換気扇を回すとき、浴室ドアからの隙間風を効率的に利用できること。

換気にあたっては、ドアを大きく開放するより、
隙間風の方が風速が上がるので、効果が高いのです。

その隙間風を導入する場合、
引戸だと壁側に縦に細くしか開けられません。



けれど折戸だと、浴室の中心に縦に細くと、
床面際と天井際にも隙間を開けられます。

つまり、特によく乾いてほしい床と、
水滴のしたたる天井と、風呂蓋にも効率的に
換気扇から吸い出す気流が当たりやすいということです。

そのことは、以前の浴室折戸は下の方にガラリがあったことからも分かります。

それは下の方の隙間から効率的に吸気し、上の換気扇から排気するためでしょう。

今の折戸は、そこに汚れが溜まるのでガラリはありません。
だから、折戸は引戸より掃除が大変というデメリットは、
かなり解消されています。

それと、浴室内で人が倒れたときなどの非常時の問題。
イザというときには折戸はフックで外せるようになっています。
外し方も書いてありますので、そう心配はいりません。




というわけで、たかが浴室ドアといっても、なかなか奥が深いものです。

何を重視するかや、家の構造や間取りなどにもよりますが、
家づくりにあたってはしっかりと打ち合わせして、
何にせよ納得が得られるといいですね。

敢えて西側に向けた窓 … 夕方の採光 ~ ゼロエネルギーの浴室換気も!

> 冬場は仕事を終えて夕方に帰宅したころには日が暮れていたのに、
> 春分の日を過ぎて、西陽が天井の木組みを美しく照らし出すのを
> 再び見られる季節になりました。

と書きましたが、今日はその続き。
西からの採光について。


夕方帰宅して手を洗いに洗面所へ。
明るく軟らかい西陽が射し込んでいて、ホッとした気分になります。


脱衣場を通して浴室から射し込む光。
西陽は高度が低いので、奥の方まで光が届きます。
夕方、温泉宿に到着して、夕食前のお風呂って趣。


我が家の浴室には、西側に小さな窓があります。
隣家が迫っていることもあり採光というより換気窓ですが、
この時季この時間にうまく光が入るよう位置を考慮した窓です。


この家を建てている最中の2020/6/16稿
浴室には窓は必要ないとの近ごろの論調に、私とは相容れない感覚だと述べました。


我が家を建ててくれた​日伸建設​HPの​住まいづくりコラム​、
ちょうど4/18​「効率的な浴室換気」​には、
以下のように書かれていました。

> 換気だけの事を考えれば、換気扇は24時間回し続けたほうが良いです。
> もし換気扇を止める場合は、対角線状に2ヵ所以上の窓を開けて
> 換気をすると、効率的に換気できます。


我が家の場合は土壁無垢板壁なので、2/19拙稿​「…我が家のスパージュ~」​でも触れたように、
浴室の湿気は屋内側に拡散させるだけで翌朝には浴室の中は乾いていて、
ビニルクロスの壁のような結露やカビの心配はありません。

だから、換気扇を24時間回し続けることが必須の
新建材やビニルクロスの高気密住宅と違って換気扇の使用は時限的、
換気窓さえあれば電気エネルギーをあまり必要としません。

その換気窓は採光にも役に立ちますから、
ここでは日が暮れるまで照明を点けなくても何とかなるのです。




これまたちょうど4/29、​マネーポストWEB​に
という記事を見つけました。

(抜粋引用)​
> ・・・そうしたら、昼間照明を使わない生活が結構快適・・・
> 昼間に照明を使わない生活のメリットは「規則正しい生活」になる・・・
> ・・・睡眠時間もしっかり取れるように・・・健康的な暮らしが実践・・・
> ・・・昼間の照明をやめたことで、
> 家族のコミュニケーションが増えるという、副産物も・・・

「高断熱高気密」には窓はデメリットということで、
窓を極力小さく少なく照明器具や換気装置に依存する今どきの家・・・。
そんな電気に頼らなくても、窓を効率的に開ければ十分じゃない?!


前段で、我が家の北西側に位置する浴室の窓からの
採光・換気のことを述べましたが、
南西側に位置するLDKについても同じことが言えます。

我が家は家がこみあっている住宅地という立地なので、
昼下がりに太陽の高度が下がり始めると、
1階は南西の隣家の影の中に入ってしまいます。

でも夕方、太陽は西へ傾くと・・・、
真西側の隣家と隣家の間から、また太陽が顔を出します。

それで面白いことに・・・

その西からに日光が道を挟んだ東側の隣家に反射して、
夕方だというのに東から!南側の窓に光が射すんです。

ちょうど西側の隣家と隣家の間に設けた窓からは、
高度の低い西からの光が天井を照らします。


そしてその光は、部屋の奥を照らします。


この美しい光のショーは、
冬場以外の1時間ほどだけなんですが、
それは木組みの我が家の、黄昏前のお待ちかねのひと時です。

洗面所は造作洗面台 … 病院用シンクと既製品三面鏡と拘りタイル ~ 施主オリジナルデザイン

昨日今日と、5月並み最高気温25℃ほどと暑いぐらい!
でも明日からの天気は下り坂らしいから、大阪の花見は今日が最後ですね。

冬場は仕事を終えて夕方に帰宅したころには日が暮れていたのに、
春分の日を過ぎて、西陽が天井の木組みを美しく照らし出すのを
再び見られる季節になりました。



我が家は西向きのキッチンですが、
西陽がシンクと天井を照らしつつ、
夏場の熱射は防げるようにしてあるんです。


さて今回の話題は、水回りシリーズ第3弾。
の続きです。

2/19と3/8の​記事​にもあるように、我が家の風呂の脱衣場は、
洗面所とは完全に別になっています。
誰かが入浴中にも、手洗いや歯磨きができるようにということです。

それで、洗面台はどうするか・・・。
洗面所はトイレへの通路でもあるので、
奥行を浅くというのが商品選定・デザインの条件でした。


​(洗面所・トイレへは、目隠しと通風を兼ねて開閉できるバンブーカーテン☝で仕切っています。)​​

そこで、スパージュと一緒にLIXILショールームで見積もりを依頼したのが、
奥行540mmの​ピアラ(☜メーカーlink)​。

けれど、合板(MDF)製というのも無垢材の家には似つかわしくないと、

合板やMDF(Medium Density Fiberboard=中質繊維板)と比較して、
ホーローは鉄そのものなので合成接着剤フリー、
そして圧倒的に耐久性が高いのが利点だと思います。しかも磁石がつく!

洗面台を据え付けるスペースは間口が800mmに満たないということもあり、
無垢材の家ということで造作洗面台も憧れはあったんですが、
当初はユニットバス同様機能的に充実しているメーカー既製品にするつもりでした。

そうこうして検討していた頃、​日伸建設​の注文住宅の完成内覧会があり、
​画像検索ではなく造作洗面台の実物を目の当たりにして、心変わり!

​​(☝link新築ギャラリー日伸建設)​​

家に戻ってからさっそく棟梁と相談しながら
デザインに取り掛かり始めたのでした。
条件は4つ・・・

①奥行は最大600mmまで。
②シャンプードレッサーの機能をもたせる。
③3面鏡で、鏡の中に小物を収納したい。
④総額がメーカー市販品より高くなり過ぎないよう価格を抑える。

紆余曲折、最終的にデザインして棟梁に提案したのがこちら。
​(☝実際の施工はこのとおりではありません。)​

まずシンクはTOTOの病院用シンクSK106を、
棟梁手作りの洗面台に組込んでもらいました。​
 
オーバーフロー排水口が無いので注意が必要ですが、底面が広く、
手洗い洗濯のほか生花を切ったり犬を洗ったり・・・
なんなら赤ちゃんの沐浴や1歳ぐらいまでなら足洗いとか、とっても多用途で重宝しますよ!

TOTOには同様の実験用シンクSK6とSK7がありますが、
これはカウンター据付けタイプではなく壁掛けタイプなので、
導入を考える場合は注意が必要です。
(参照link:​【TOTO 実験用シンクと病院用シンクの違い】​)

間口いっぱいのシンクで袖棚が無いので、シンクに内壁板の端材を渡して小物の一時置き台に、
うがいコップはシンク内に吸盤フックに掛けて、
石鹸はシンクの底が平たいので泡ポンプをシンク内に直に置いてあります。



シャワー水栓は奥行に余裕がないので壁出し。
上の鏡ユニットに干渉しないよう下のシンクとの間隔も考えて選んだのが、
KVK製シングルシャワー付混合栓​FSK110KSFTT(☜メーカーlink)​。​

鏡は、ホーローではないのですがタカラスタンダード製の



そしてシンク下は、引出し1つだけのオープン収納にして、
手持ちのプラ棚を仕込み、これまた手持ちの風呂敷で目隠しました。
これで少しはコスト削減できたんじゃないかな。

あと、妻のこだわり!タイル。
平田タイルの​ショールーム​に足を運んで実物を見て選んできたものです。
タイル選びはWEBやカタログでは質感が分かりません。ぜひ実物を確かめることをお勧めします。



側壁のは平田タイルのイタリア製​「​トリコット​」(☜メーカーlink)​。
天然木とファブリックを思わせる凹凸感のある風合いのテクスチャーが、
ナチュラルなイメージで土壁に合うと思ったからです。

そして腰回りの色とりどりは​平田タイル​のフランス製​「​スパークル​」(☜メーカーlink)​。
水彩画のような色合いに、独自の手作業でカットされた不ぞろいなピース・・・。
この風合いは、ちょっと日本人には真似のできない感性だと思います。

既製品の三面鏡にヨーロッパ製のタイル・・・。
木の家たるもの、こうでなければ!みたいなステレオタイプからの逸脱!
個性と実用が両立するお気に入りの洗面台になりました。

でも、素人である施主のワガママ勝手に応じて、
バラバラのものを見事に組み合わせてイメージどおり実際に形作ってくれた棟梁。
きっと詳細設計も施工も大変だったと思います! ありがとうございます。


【追記①】ところで、コロナで急に脚光を浴びた液体ハンドソープ。
あれ、普通は添加物だらけの合成洗剤なんですよね。
我が家ではコロナ前から本物の液体せっけん(脂肪酸カリウム石鹸)です。
​【追記②】偶然、こんな動画が昨日アップされているのを見つけました。
これでいうと我が家のは、ほぼ合格ですな!

​​(YouTube☝gaeDEN動画link)

太陽光パネルを全ての新築に? … 何かモヤモヤ ~ 持続可能な社会に向けて

私は脱原発の立場から、また災害時への備えの観点から、
できるだけ電気の消費量を抑える、
できるだけ電気なしでも暮らせる家づくりを考えてきました。

そこで、冷暖房はエアコンに頼りながらも、
エアコンなしでもなんとかなる家という意味で、
伝統構法・・・無垢材と土壁の家を選択しました。



また、暖房や調理は電気だけではなくガスでもまかなえるようにしたり、
便器も電気なしで流せるスタンダードな機種を選んだりしました。

SDGs(持続可能な社会づくり)を言うなら、
そもそも電気にできるだけ頼らない暮らしの創出が第一、
そして発電は再生可能エネルギーにシフトをと考えています。

原子力発電なんて、まずもって暮らしの安全性の観点から、
また外交上の安全保障の観点からも、論外と言わざるを得ません。
それは福島原発の被災や、チェルノブイリ原発への攻撃からも、明白です。

​​​​​
​​(link☝共同通信:原発攻撃「自衛隊対応を」2022/3/30)

その意味で、再生可能エネルギーへの転換は緊急の課題だし、
太陽光発電の進歩と普及には期待しています。
でも述べたように、太陽光発電の個人宅への義務化には疑問を感じています。

国のエネルギー政策として、原子力発電を根幹にしたまま、
抜本的に再生可能エネルギーへの転換を図る方針を持たないまま、
太陽光発電を個人の責任に負わせるのは、つじつまが合いません。

そんな意味もあって、(それだけではありませんが、)
我が家には屋根の上に太陽光パネルを載せるつもりはないのです。


​​(ちょうど2年ほど前の2020/3/24、瓦葺き工事をしていました。)​

昨日(3/29)の朝、NHKニュース「おはよう日本」を見ていると、
「住宅の太陽光パネル廃棄の現状は?」と題しての特集。​​(引用:NHK番組表おはよう日本7時☟link) ​​
画面の​QRコード​をたどると、先々月と先月の特集サイトが上がってきました。

【NHKニュースサイト>ビジネス特集】​​​​
 


<以下、引用>

> 屋外で風雨にさらされる太陽光パネルには寿命があります。
> 耐用年数は20年から30年ほど。
> このため2030年代半ば以降、寿命を迎えるパネルが
> 大量に出ると予想されているのです。
> 環境省は、2040年ごろには現在のおよそ200倍にあたる
> 年間80万トンもの使用済み太陽光パネルが排出されると試算しています。

> 太陽光パネルは厳しい自然環境にも耐えられるよう頑丈に作られているため、
> リサイクルのための分解には手間や費用がかかります。
> このため、廃棄する際には多くが埋め立て処分されているとみられています。
> ただ、埋め立て処分にも費用がかかるため、
> 発電事業が終わってもそのままパネルを放置したり、
> 不法投棄されたりするおそれがあると指摘されているのです。

> 撤去にかかる費用はどの程度なのでしょうか?
> 私たちはパネルの販売店やメーカーなど20社余りに取材しました。

> パネル販売店「これまでの撤去費用は20万円ほどで、
> 取り外したパネルを中古品として販売していました。・・・(中略)・・・
> リサイクルには費用がかかるため、
> 今の撤去費用は50万円近くに値上がりしています」

> 別のパネル販売店「費用が安くて済む場合は20万円くらいですが、
> 家が大きかったり、屋根の傾きが急だったりして大規模な
> 足場を組む必要がある場合は、100万円を超える可能性もあります」

> 大手住宅メーカー「パネルを撤去したことが一度もないので分からない」
> 大手パネルメーカー「パネルの撤去には対応していない」
> 大手パネルメーカー代理店「とりあえずパネルを購入した店に相談すべきでは」

> パネルを購入した販売店や施工業者がすでになくなっていたり、
> 問い合わせ先が分からなかったりするケースも少なくありません。

> 太陽光発電などの再生可能エネルギーで発電された電気の買い取り費用は、
> 私たちが毎月支払う電気料金に上乗せされていて、
> その負担額は、標準的な家庭で年間1万円を超えています。

> 自然に優しいエネルギーといわれる太陽光発電
> 真にクリーンなエネルギーとして受け入れられるため、
> 寿命を迎えた太陽光パネルの処理などについて、
> 地に足をつけて議論する時期が来ています。

> 役目を終えてリタイアしたあとの“終活”をどうするのか。
> 決してあいまいにせず、私たち自身の問題として
> 考えなくてはならないと強く感じました。

私たちが最初に売建てのマイホームを手に入れたのが1996年。
1994年には国の補助制度も始まっており、
我が家にも導入しようと検討し、それでも高額で諦めたのを思い出します。

このNHKの特集番組では、太陽光パネルを設置したものの、
“設備の老朽化”と“売電価格の急落”というダブルパンチで、
太陽光発電をやめたいと考えるようになったが、
費用や処分のことで撤去に悩んでいる方の話しもありました。
​​(引用:NHK☟link)

太陽光発電を諦めた我が家は、真空管式の太陽光温水器を屋根の上に設置。
とっても快適に使っていましたが、20年近く経ち調子が悪くなって、
撤去する段になって往生したことが思い出されます。

一方で、2020/5/13稿​「理想の家づくりは会社選びで9割決まる・・・」​でも紹介した、
​という動画をYouTubeで発信していて、なかなかうならされます。

​​(click☝YouTube)

<動画より引用>

> 2大デマ
> ①製造時に大量のエネルギーを使うから、環境に良くない
> ②廃棄時に大量のゴミになるので、環境に良くない

> 太陽光発電のエネルギーペイバックタイム 1~2年
> 製造時のエネルギー>生み出すエネルギー

> 車・・・家電製品にしても・・・ものすごい台数生産されているのに
> それが完璧にリサイクルされているかと・・・絶対されていない
> エネルギーを一切生み出さないものなのに・・・誰も問題点を指摘しない
> なのになぜかエネルギーを生み出す太陽光に関してだけは
> ここ(廃棄問題)を指摘する人がものすごい多い
> ・・・何か悪意を感じますね。

<概要欄より引用>

> 温暖化懐疑論太陽光発電に関するデマも結局
>「全然その道の専門家じゃないけれど声が大きくて話すのが上手い人」が
> 拡散しているということに一人でも多くの方に気付いて頂ければと思います。

とっても論理的に説いているので傾聴に値すると思いますし、
太陽光発電設備を自宅に設置することは原則的には望ましいことだと、
再生可能エネルギー普及の観点から私も思っています。

けれどやはり、先述のNHKニュースにもあったように、
太陽光発電の負の部分にも対応をという観点を踏まえたうえで、
廃棄問題や損得勘定などに矮小化することなく、自ら選択することが大切だと思うのです。

天然ガスをロシアから大量に輸入する政策に、
今般のロシアのウクライナ侵略が影を落とし、
「エネルギー安保」の問題も顕在化しました。 

太陽光エネルギーはといえば、太陽光パネル8割は中国製。​
外交によっては安全保障上の問題もあります。
またその安価には新疆ウイグルの人権問題が絡んでるのはよく知られた話です。

​​(link☝​日経ESG「中国製パネルに強制労働の疑い」2021/7/5​)

政府は2020年の「2050年カーボンニュートラル宣言」を旗印に、
再生可能エネルギーの割合を36%から38%としておきながら、
一方で原子力発電を更に推進しようとしています。

日本が原発を廃絶し、国を挙げて再生可能エネルギーにシフトして、
そのために太陽光パネル国産化を推進しようというのなら分かります。

けれど、メガソーラーによる環境破壊への無策を見ても、
太陽光発電への国として本気度が疑われます。


change.org「豊かな自然や地域の生活を破壊する再生エネルギー開発に規制をかけてください」

そんななか、個人の住宅への太陽光パネルの搭載の推奨はどうなんでしょう?
しかも近い将来、新築住宅には義務化?!

SDGsへの取り組みとして今、
省エネ・脱炭素が最重要課題なのは論を待ちません。
けれど道筋は一つではないはずです。

太陽光パネルで自家発電してまで電気を使うという暮らし、
そもそも余計な電気は使わないという暮らし、
どちらでないといけないというものではないはずです。

電気仕掛け空調を前提とした高気密高断熱住宅、
自然の室内環境を前提とした気候風土適応住宅、
どちらを選択するかは、住まい手の暮らしの哲学に関わる問題です。

SDGs的観点では、それらは車の両輪。
どちらか一方の押し付けは、決して「持続可能」ではない。

太陽光発電の普及には賛成だけど、
太陽光パネルの個人宅への設置義務化は納得できない・・・。
どうもモヤモヤが吹っ切れないのです。



多様な選択肢がある、それを選択するのは住まい手。
太陽光パネルの設置だけではない省エネ・脱炭素の選択肢として、
ぜひ気候風土適応型伝統構法の家が見直され広く認知されることを望みます。

伝統木造は適判不要へ規制緩和? … 石場建て木の家 ~ 消灯後の楽しみ?木組みの楽しみ!

いったんは4月並みの春の陽気だったのに、今週は冬に逆戻り。
けれど桜は咲き始め、大阪の満開予想は3/31とのこと。

今日は20℃に迫る温かい雨、午後からは春の嵐の予報。
これを境に来週はめっきり春めくということで、日中は一週間ぶりにエアコンOFF。
木組み土壁の家には、雨もまた風情です。



我が家は、ここで言うまでもなく、石場建て伝統構法で新築しました。
我が日本の気候風土に根差した千年来の家の建て方です。
それが今やここ数十年の瞬く間に、絶滅危惧種となりつつあります。

どこに何の悪意が?と思われるほど、建築が「法的に!」難しくなっているのです。
それでもこの伝統技法を守り受け継ぎ発展させていこうと、
幾多の大工さん職人さんや建築士さんや学者さんたちが日々奮闘している・・・。

ひょんなことから石場建て伝統構法の新築に施主として関わることになり、
自分が当事者となったことから、
そんな有志の存在を知り、実際に出会うこととなりました。

このブログで何度となく紹介している​木の家ネット​も、そのひとつ。
他にもいろんな作り手さんとお近づきになりました。

こうした経験から、一般的には忘れ去られている石場建て伝統構法を、
一般の人が再発見する一助となれば、家を建てたいと思った人が選択肢に入れられれば・・・、
そんな思いに駆り立てられて、こうしてブログを綴り続けています。

さて、そんな石場建て伝統構法の家の建築が具体的にどんな法的な壁に阻まれているかは、
以下の拙稿などを参照いただければと思います。
 
紆余曲折、我が棟梁の大奮闘により、
そんな大変な構造計算や手続きなどを経てようやく着工にたどり着いた我が家ですが、
ここにきて日経クロステックにこんな記事が挙がりました。
 
(日経アーキテクチュア2022/2/10)

・・・というのである。
(気候風土適応住宅については拙稿2020/1/3​「気候風土適応住宅の魅力・・・」​参照。)
「おぉっ?!国もようやく認めたかぁ!」と喜んで我が​日伸建設​の棟梁に聞いてみました。

すると、どうも「​構造設計1級建築士​」が設計したら・・・という条件らしく、
構造設計1級建築士はビル等の設計で、木造に造詣の深い人なんてほぼいないんだとか。

そんな実効性の乏しい規制改革って、
本当に国は石場建て伝統構法を、きちんと理解していないんでしょうか?
それとも石場建て伝統構法を、緩和に見せ掛けて実質的には潰そうという悪意なんでしょうか?

記事の全文を読んでみましたが、素人にはチンプンカンプンで、
私には説明することができないので、これ以上の話しは控えておきます。

ただ、「石場建て」にまでしなくても「伝統構法」に則った建築は
現行建築基準法の範疇でもできます!
なので、ぜひ木組み土壁の家を家づくりの選択肢に!と思います。


そんな木組みに、晴れても降っても癒される家。
新型コロナで外出を控えざるを得ない日々がかれこれ丸2年続いていますが、
その前の、コロナ直前、ウッドショック直前、なんというタイミングの入居。

癒されるといえば、毎晩の風呂上りも。
台所で天井を見上げながら水分補給。


我が家の浴室は風情もなく機能だけでユニットバスを選んだことは
照明を落とした木組みの表情に飽きもせず毎晩見入ってしまうのです。


そして居間のソファーに腰を下ろして、天井を眺めながら、
ほてった体温を睡眠前に落ち着かせます。


階段を、照明を点けずにゆっくりと上がっていきます。


階段を上がりきると、2階の居間の大梁が暗闇に浮かびます。


小屋組みを眺めるのも、毎晩のルーティーンです。


そして寝室の布団に仰向けに寝転ぶと、
天井の木組みが一日の疲れを目から癒してくれます。

​​(照明を完全に落とすと目には見えていても写真には写らないので、撮影用に演出しています。)​​

常夜灯の豆球も消すと、
窓の障子からほのかな月明かり・・・さすがに写真には写りませんが。

昼間の明るいときも、灯りを点けた晩餐のときも、照明を落として床に就くときも・・・。
24時間365日、木組みを見ていて飽きることはありません。