大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

礎石の据え付け

その日のうちに礎石が搬入されました。
ビシャン仕上げ(細かいザラ目)の御影石

コンクリートの硬化を待って2週間、12月14日。
次は石場建てたるゆえん、いよいよ礎石の据え付けです。

まず墨壺で墨出し・・・と言っても、
墨ではなく黄色のチョークの粉が墨壺に入っていて、
粉の付いた糸を引出して両端を合わせ、
真ん中をつまみ上げてパチンと弾くと、床面に黄色い直線が。

礎石は立てる柱の径に合わせて大小あって、
棟梁が図面を確認しながら大工さん3人がかりで仮置き。


約80個を置き終えると、次に正確に位置決めしたところに、
コンクリートボンドで仮接着していきます。
ベースコンクリートはほぼ水平ですが、
礎石は一つひとつ水平を厳密に測定して、
mm単位でスペーサーをかまして微調整しながら貼っていきます。


この時期、冬空のうえ、冬至間近で日照時間が短い。
幸い天気には恵まれ、朝8時前から夕方4時過ぎ・・・、
何とか日没前に終えることができました!


そして1週間養生した21日。
こんどは左官さん登場。
礎石一つひとつの根元に、モルタルを盛っていくのです・・・ん?
ベースコンクリート同様、これも石場建てとして本来不要では?
棟梁に訪ねてみると、やはり建築確認上の要請とか。
必要とされるかどうかは、検査官の匙加減???!!!

うーん、外から丸見えだし、これは不細工ゥとちょっと不満・・・。
他所の石場建て新築の施工例をインターネットでいくつ見ても、
こんなのはひとつも見当たらない。

ところが左官さん、全ての礎石にモルタルを手早く仮付けしてから、
更に盛り上げて綺麗に整形し始めたのです!


ん?この形、どこかで見たような・・・そうそう、お寺。
一つひとつの礎石ではないけど、床下の基礎はこんな感じの形!
亀腹というそうです。


後で聞くと、左官さん曰く。
根固めするだけでは愛想ないし・・・と気を利かせて、
棟梁と工夫してくださったんだとか。
礎石の根固めなんて初仕事だったというのに、
さすが、お寺の修復などにも携わる匠の知恵です。
建築確認のお固い要請を逆手に、こんなふうに仕上げるとは!
関わってくださる素晴らしい職人さんに感謝、感謝。


 
下請け孫請けに丸投げのハウスメーカーでは絶対に味わえない、
職人さんの心意気と直に通じ合い感動をいただきながらの家づくりです。
 
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