その日のうちに礎石が搬入されました。
コンクリートの硬化を待って2週間、12月14日。
次は石場建てたるゆえん、いよいよ礎石の据え付けです。
まず墨壺で墨出し・・・と言っても、
墨ではなく黄色のチョークの粉が墨壺に入っていて、
粉の付いた糸を引出して両端を合わせ、
真ん中をつまみ上げてパチンと弾くと、床面に黄色い直線が。
礎石は立てる柱の径に合わせて大小あって、
棟梁が図面を確認しながら大工さん3人がかりで仮置き。
約80個を置き終えると、次に正確に位置決めしたところに、
コンクリートボンドで仮接着していきます。
ベースコンクリートはほぼ水平ですが、
礎石は一つひとつ水平を厳密に測定して、
mm単位でスペーサーをかまして微調整しながら貼っていきます。
この時期、冬空のうえ、冬至間近で日照時間が短い。
幸い天気には恵まれ、朝8時前から夕方4時過ぎ・・・、
何とか日没前に終えることができました!
そして1週間養生した21日。
こんどは左官さん登場。
礎石一つひとつの根元に、モルタルを盛っていくのです・・・ん?
ベースコンクリート同様、これも石場建てとして本来不要では?
棟梁に訪ねてみると、やはり建築確認上の要請とか。
必要とされるかどうかは、検査官の匙加減???!!!
うーん、外から丸見えだし、これは不細工ゥとちょっと不満・・・。
他所の石場建て新築の施工例をインターネットでいくつ見ても、
こんなのはひとつも見当たらない。
更に盛り上げて綺麗に整形し始めたのです!
ん?この形、どこかで見たような・・・そうそう、お寺。
一つひとつの礎石ではないけど、床下の基礎はこんな感じの形!
亀腹というそうです。
後で聞くと、左官さん曰く。
根固めするだけでは愛想ないし・・・と気を利かせて、
棟梁と工夫してくださったんだとか。
礎石の根固めなんて初仕事だったというのに、
さすが、お寺の修復などにも携わる匠の知恵です。
建築確認のお固い要請を逆手に、こんなふうに仕上げるとは!
関わってくださる素晴らしい職人さんに感謝、感謝。