大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

土壁~左官の仕事、雨樋~板金屋の仕事 ・・・ 職人の技の綾

今日から早くも9月! もう今年も残り3分の1です。
梅雨明けが8月に食い込み、真夏が1か月弱しかなかったのに、ものすごい酷暑!
枚方は今日も日中は36℃に迫る猛烈な残暑でしたが、
それでも日が暮れるのが明らかに早まり、朝夕は秋の気配も感じます。

今朝、出勤前に現場に寄ってみると、
おっ! 左官さんと板金屋さんです。


「おはようございます! よろしくお願いします。」
左官さん、腕がエエから引っ張りだこの人気やそうですなぁ!」
和やかに言葉を交わします。
棟梁の段取りでは、できればお盆明けにでも壁塗りってところだったのです。

先週​は建具屋さんや電気屋さんも来られていましたが、大工さん以外にも
家づくりにはいろんな職種の職人さんが関わるチームビルディングです。

ただ、近年は街中の建築現場は幕で覆われてしまうため、
現場でどんな人が働いているか、何が行なわれているか、外からは見えません。

私は子どものころ、建築現場の大工さんや墨壺を見て育ちました。
でも今の子は、職人さんたちが力を合わせて一生懸命作っているところが見えません。
家づくりを建てている「人」と結びつけるイマジネーションが湧かない。
いきおい家を商品として「物」を買うという発想になってしまう。

そうした子どもは大人になって、
家づくりに当たって、客として要求する、またはクレームをつける対象になってしまう。
そうした子どもは大人になるにあたって、
進路の選択肢として大工や職人になるという具体的なイメージが持てない。


大工や職人さんは人手不足というけれど・・・。
・・・そんなことを思いながら出勤したのでした。

夕方、帰宅の途で現場に寄ってみると、
左官さんも板金屋さんももう現場を後にされていましたが、
2階の内壁の中塗りが始まっていました。


荒壁・裏返し塗りをした土壁が、ヒビ割れだらけに隙間も開いてきたのを下地に、
​中塗りをしてヒビや隙間を埋めつつ仕上げ塗りの下地を作っていくのです。
​​土壁ネットワーク

荒壁土は、文字どおり大きな藁スサの入ったかなり荒い土ですが、
中塗り用の土を見ると、ずいぶん細かい土のようです。
あぁ、塗っているところを見たかった!・・・土曜日もやってくれたら見られるのですが。

で、棟梁に促されて軒先を見上げてみると、
わぁ! 雨樋が付いている・・・そう、雨樋の施工は、板金屋さんの仕事だったんですね。
これ、けっこう知られてないんじゃないかな。


えっ? 雨樋って、塩ビ(塩化ビニル)とかプラスチックじゃないの?
ん? これ、銅色してるよ!・・・金属?
今でこそほとんど塩ビですが、そもそも雨樋は板金を加工して作っていたんですね。

さすがに銅製ではありません・・・費用が。
どうもガルバリウム鋼板に銅風のメッキ仕上げのようですが、
塩ビ製とは桁違いのカッコ良さ!


こんなふうに眺められるのも、この足場が撤去されるまでのあと1か月足らず。
周囲の幕は早くとってしまいたいけど、
この足場は買い取ってそのままにしておこうかな・・・さながらサグラダファミリアばりに!

今日も大工さんたちは、先週に引き続き外壁材の杉板張り。
南面の真ん中ぐらいまできました。


明日も暑そうですが、よろしくお願いします。