大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

こんな家がいいなぁ・・・京町家?

2年前の春のことです・・・。

 

いろんな住宅メーカーから数々の魅力的な間取りの提案を受けて、
夢が膨らみつつも、なかなかコレ!ってピンとくるものには出会えなかった。

自分はどんな家に住みたいんだろうか?

「耐火」「耐震」「自然素材」
初めに掲げた3大テーマは大前提として、
じゃあどんな暮らしをしたいのか?

縁側で腰かけて三線を弾く・・・
土間でちょっとした木工とか・・・
和のテイストに囲まれて・・・

あ、そうやん!
前の家で、南側の明り取り庭…南側に接する隣家で日光は射さない…を、
通り土間にリフォームして土間に面する内縁に腰掛けられるようにしたいなぁ・・・。
と妄想を抱いていたのを思い出す。

それ、京町家の伝統的な間取りみたい。
玄関を入ったら裏まで土間が貫いていて、
土間に面して座敷が1列に並んでる。
土間が台所になっているのは、現代生活には合わないけど。

このコンセプトを現代町家に写し取ると、
こんなイメージかな?

南側に通り土間玄関をもってきて、
どの部屋にでも直に上がり込むイメージ。

いや、建て延べ30坪ほどしか無理な建蔽率50%第1種低層住専なんで、
もう少し小規模な土間にしないと・・・。
こんな感じ?

・・・「分かりました!」
間取り図面にしてくれたのが、日伸建設の棟梁。
営業社員と設計社員と大工とが明確に分業されていない地元工務店
図面を製図版を使って手書きした棟梁が、自分で弟子と一緒に建てる。
「ウチには標準仕様という考え方がないので、どんな形でも実現できる!」
自信たっぷり。

あちこち当たった住宅メーカーは、ほとんど全て「標準仕様」がある。
それにオプションを付けていく。それで坪単価が上がっていく仕組み。
それを営業担当と商談する。その人が建てるわけではない。
値札が貼ってあるスーパーで買い物するイメージかな。
家は「買う」もの。
客は「消費者」。

日伸建設は、昔の市場の対面販売のイメージ。値札はあるような、ないような。
というより、農家と直に契約するのに近いかな。
大工の棟梁=社長=設計士=大工と、人と人との直のぶつかり合い!
営業トークはない。けど、素材を見極める目、それを組み上げる技は超一流。

話せば話すほど、その人柄に惚れ込んでしまった。
魅力的な営業マンも他社にはいた…惹かれた。
けど、その人は自分で材木を選び刻み組み立てることはしない。
ここが決定的な決め手になった。

この棟梁なら、自分たちの「暮らしたい家」を「一緒に」実現してくれる。
家は買うものではなく、つくり手と一緒に「創るもの」。
消費者ではなく、本当の意味で「施主」になれると思ったのです。