大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

大工工事 ~ 再開2週目後半4連休 : 元請け大工さんとの顔の見えるお付き合い

(7/26「​大工工事~再開2週目・・・(前半)​」の続き)​

例年なら子どもたちは今週は夏休み第1週。
今年はそうもいかず、でも世間では今年に限り今週末は4連休。

スポーツの日を10月から東京オリンピックが開幕予定だった7月24日に移し、
23日の海の日と土日と合わせて連休にしたそうですが、
延期さえ危ぶまれる東京オリンピックに、
地方は正直言って冷ややかなのが大勢なのではないでしょうか。

このところその東京は新型コロナの感染者数が連日200~300人越え、大阪も連日100人越え。
そんな非常事態に政府はGo To トラベルキャンペーン。
しかも旅行業者のツアーでないと適用されないという相変わらずの企業目線の政府。
全国各地の伝統構法の家の建築現場に行ってみたい私たちには全く関係ない。

今日は4連休最終日、日曜はさすがに現場作業はお休み。
でも大工さんたちにとっては、4連休もGo To トラベルも何の関係もなく、
通常どおりの木・金・土なのでした。

7/23(木)海の日。
4連休初日、あいにく連日雨模様との予報。
Go To ・・・といっても施主は家でのほほんとしてるのに、
大工さんたちの奥様方は早朝からお弁当作りでは気の毒な・・・と妻が気を利かせて、
街の飲食店の応援も兼ねてテイクアウトの昼食をこの3日間は差し入れ!

2階は、南側の居住スペースは全面畳敷き、
北側がほぼ収納スペースになっているのですが、
そのウォークインクローゼットの床はメープルの無垢フローリング
1階は全面杉の無垢フローリングですが、ここは印象がガラッと変わります。
​​(☝手前がメープル、奥が杉)
楓ですがカエデではなくメープル、北米かロシア産の物をそう言うようです。​
ウチには珍しく洋物! 美しい杢目と白っぽく爽やかな色合いが特長です。
欧米のような土足生活に向いている床材で、かなり重く硬く冷たい木なので、
裸足で歩いたり床でゴロゴロする居室には向きません。
でも、これが敷かれるのは収納スペースやトイレ。適材適所です。
フローリングの壁際は、一般的には大壁ですから、
合板のフローリング材を電鋸でザックリ切るだけで巾木で隙間を隠してしまいます。
一方ここは真壁づくりなので、鉋で削って微修正しながら寸分の隙間もなくはめます。

しかも無垢材ですから、木の癖を見ながらの繊細な作業。
私は合板フローリングのDIY施工はやったことがありますが、
それを思えばここはかなりの手間です!

そして、もう一つトピックス。板金屋さんが打ち合わせに来られました。
下屋や庇を​​ガルバリウム葺​するのです。
本当は​銅板​がいいのですが、予算上そうもいかず・・・。

7/18「​大工工事・・・​」の稿で、家づくりは種々の職人さんの合作と言いましたが、
それらに板金屋さんが加わりました。
この職人さん、棟梁に言わせるとものすごい腕前で引っ張りだこ!
ようやくウチの番が回ってきたとのこと。
この日は幸い祝日だったので、直に色と葺き方の打ち合わせをすることができました。

あと、7/8「​工房にて・・・大工さん手刻みの・・・​」の稿で触れた階段の材と、
そのときに同時に作っていた書斎のカウンターが搬入されました。

この無垢板も​日伸建設​の皆さんで自分たちで伐ってきた地松。
玉切りした根元に近い1番玉が太すぎて構造材には向かないため、板にしたものだそうです。
ヒビ止めに硬木の契(チギリ)を埋めてから、入念に手鉋をかけてツルツルです。
そして側面は、棟梁の先輩大工さんによる手斧(チョンナ)のハツり!

7/24(金)。
先日から置かれていた​栗の丸太​、
日伸建設の親方がfacebookで「​こんな変木、何処に使うか楽しみ…​」と思わせぶりだったもの。
その栗の変木が、なんということでしょう!玄関ホールに立っているではありませんか。
階段の上り口の柱だったのです。
これも親方が伐ってきて、倉庫の奥でずっと眠っていたのを引っ張り出してきたもの。
日伸建設​は​HP​を見ても分かるように、変木使いも得意としていますが、
ウチの場合はシンプルを旨に棟梁も私たちも考えていたので、設計に変木はありませんでした。
でも親方との出会いの記念に一つ見繕っといて!と頼んであったんです。

それがここに立っていれば、毎日親方とあいさつできるってもの。
こんなところも、大工棟梁と直に家づくりする地場工務店ならではの醍醐味です。

2階では、壁の最下辺に材木を入れていっています。
巾木と言うんでしょうか、畳と壁との接線になるところ。
柱間の内法寸に鋸引きして、木口を金槌で叩いて微妙に長さを詰めてはめ込みます。
一応ビス止めしておきますが、叩き潰された木は元に戻ろうとして
キチキチにはまるということでしょうか。

7/25(土)。
これまた木曜7/23に搬入された手刻みの階段部材・・・、

それを受ける架台を取付ける工事が始まりました。

あそこが階段の折返しの踊り場の高さ・・・。
どうやって階段を設置するのか具体的には分からないなりに、
なんとなく2階に上がる経路が浮かんできました。


2階に上がってみると、造作出窓の枠に断熱材フォレストボードが入れられ、
その上から赤杉の無垢板が張られていきました。
これもウチは大壁ではないので、
隅のところなどは細かく鑿を入れるなどして形を整えて隙間なくはめて、
出窓といえども高断熱高気密を目指します。

今の作業は構造材を組み上げるときのようなダイナミックさはないものの、
こうして着々と室内造作が進んでいく手間と技を間直に見せてもらうにつけ、
繊細さが要求される工程も大工さんの仕事のカッコイイところだと実感します。

また来週からも、よろしくお願いします。