大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

障子が入る ・・・ 縦繁格子 ~ 木と土と紙の家

今日(11/22)、見学のお客様がお越しになりました。
3年ほど前、私たちが日伸建設に出会った頃に、
ちょうど​日伸建設​でご自宅を建て始めていたご家族。

その構造見学会に案内されて、
手刻み天然乾燥無垢材の家を目の当たりにし、
それが日伸建設に決めた大きな要因になりました。

家を建てたいと思ったら、必ず何社か構造見学会に行きましょう。
特に一般的な家は大壁で、柱や梁など構造材は完成すると全く見えません。
構造見学会だと、そのビルダーの家づくりの姿勢がよく分かります。

お越しくださった皆さん、さすが日伸建設での家づくりのOB。
この家をご覧になる目の付け所が違います!
「日伸あるある!話し」でも盛り上がり、本当に楽しいひと時でした。

完成内覧会は​11/28(土)29(日)予約制​・・・微妙に未完成・・・ですが、
それ以外の日でも​日伸建設​で相談に応じているようです。ぜひどうぞ。

で、今日のお客様、私のブログも見てくださっているとのこと。
ありがとうございます。
なのに​11/10稿​以来、実質更新できておらず・・・。で、今日こそ!ってわけです。

今、大きくは外構に取り掛かっているところなんですが、
それについては稿を改めて詳しく述べることにして・・・。



遡って11/20(金)夜7時ごろ、にわかに現場が慌ただしくなり、
建具屋さんと棟梁が建具をたくさん運び込んできました!

夏場なら日の入りの頃でまだ明るい時間ですが、
さすがにこの時期は真っ暗! 本当にご苦労さまです。


建具の搬入は10/30(金)に第一弾があったことは、
述べましたが、今回は主に窓の明かり障子=紙障子の据付けです。

私たちがあまりカーテンのヒラヒラした感じが好きではないので、
この家は思い切ってカーテン無し、窓という窓ほとんど全て障子にしたんです。
なので、障子の数が、普通の家ではあり得ないほどの数!


建具職人さんと棟梁、初め敷居に何やら貼り始めました。
聞くと、天然竹をスライスしてテープ状にした敷居滑り。
百均のとかしか知らなかったので、ビックリ!

よく見ると、竹だけあってところどころ節があります。
木よりも強く、滑りもいいんだそうです。


ガラス窓から一変! 畳敷きと前回入れた板戸と相まって、部屋が一段と落ち着きました。
明かり障子の「明かり」は本来は陽の光のことでしょうけど、夜は「灯り」も反射します。
図らずも照明の光が窓の部分だけ梁の影を落として、いい感じです。


この部屋の表に面した窓は面格子が入っていて雨戸がありません。

そこで夜に街灯の光を遮断できない対策として、遮光カーテンならぬ
遮光襖を障子に組み合わせました。断熱の役割もあります。
日中は袖壁に全引込みできるようにしてあります。


バルコニーへの掃出し窓と、西面の出窓にも。

掃出しといっても、バルコニーへは敢えて少し上がるようにしてあります。
西面も面格子だけで雨戸がないので、障子で夏場の強烈な西陽を遮るだけでなく、
冬場には断熱の役割もあります。

1階の庭に面した掃き出し。

ここには採風雨戸が設置されており、窓は1間幅で全引込できます。
そこで障子も引違いではなく、袖壁に全引込できるようになっています。

建具職人さんが、建具一枚一枚現場で削って、微調整していきます。

日伸建設の木組みの家は精度が高いので、この工程が楽なんだそうです。
ピタッ!と手作り建具がはまったときの爽快感は、建具職人の醍醐味でしょう。

この引戸は、間仕切り建具でまだ残っていた玄関土間と室内を隔てる建具。
玄関引戸は木製なので、樹脂アルミサッシほどの気密はありません。
そこでここに障子を入れて縁を切って、屋内の断熱性を高めるというわけです。

ちょうど玄関土間が、宇宙船のエアロックのようなイメージ!
いや、空気を抜くことはないので、普通に風除室と言えばいいだけなんですが・・・。
夏場は1間幅全開放して、三和土(タタキ)土間の冷気を室内に入れることもできます。


とはいえ、今日の時点ではまだ何も貼られていません。
ここだけは障子紙ではなく、追って乳白色のアクリルが入ります。

建具職人さんが調整のため鉋で削ると、家中に青森ヒバの芳香が拡がります。
思わずその鉋屑を拾い集めて袋詰めに!
建具を開け閉めするたびにも香りが立ちます。

この家の建具は、間仕切りは全て千本格子とか縦繁(タテシゲ)格子とか言われる
縦桟がたくさん入ったデザインに統一しました。
そのせいで通常の桟の数の3倍はあるんじゃないかな?・・・大変な手間です。

それ、友だちが新築したデザイナーズ住宅がそうなっていて、そのイメージを拝借。
家づくりに当たっては、実例を直に数多く見ておくことも大事です。

ハウスメーカーの営業さん任せではなく、
じっくりと大工さんと相談できる工務店だからこそ、実現できたんだと思います。


今週1週間、あと少し手を入れて、週末は一般公開、内覧会です。
コロナ禍のなか予約制ですので、お問い合わせは​日伸建設​まで。