大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

西陽を生かす、灯りを生かす ・・・ キッチンに障子を追加しました ~ 障子の効果!

昨日8/8、コロナ禍で強行された東京オリンピックが閉幕。
お祭り騒ぎの後には感染者激増の後遺症、平穏な日々は戻ってきません。

せっかくの夏休みなのに旅行もはばかられる事態ですが、
木と竹と土と紙の我が家は民宿に来ているような心持ち。
前の家を思い浮かべると、こんなときは家の快適性がおおいに問われることを実感します。


ところで、
我が家のキッチンの窓。モロ西向きなんです。普通なら避けるべきところです。


敷地がわりときっちり東西南北に向いていて東西に細長く、
真南から南西にかけて隣家が迫っているので、

空いている東側と西側からの採光を重視した窓配置になっています。

特に西側は夕陽の眺望を優先したので、
夏の西陽対策は重要になってきます。
(参照:5/4稿「​続・西陽を楽しむ窓配置・・・​」、6/21稿「​夏至の西陽!・・・​」

その西側のキッチンの窓・・・けれど、
食器棚を挟んで上側にFIX(はめころし)採光窓と、
下側に採風手元明り窓とに分けてあるので、とりたてて西陽による差し障りはありません。


夕方にはリビングの奥の方まで光が射して、
それはそれでかなり気に入っていました。


とはいえ、そのハイサイドライトに目をやると、かなり眩しい!
しかも、樹脂アルミ複合サッシ/遮熱型Low-E複層ガラスとはいえ、
今ごろの酷暑期には、内ガラスの表面温度が40℃超のこともあることが実測されました。


それと、もうひとつ。夜になると他の窓は障子で白いのに、
障子のないこの窓は外の闇で真っ黒になってすごく不釣り合い。
しかも食器棚の上の間接照明が、隣家の2階の窓を煌々と照らしてしまう。


そこで、このハイサイドライトに障子を入れてはどうかと​日伸建設​の棟梁に相談。
さっそくこの家を手掛けた建具職人を呼んできてくれて、その案採用!
他の建具と同じ青森ヒバで製作してもらうことになりました。


そして昨日8/8、いよいよ搬入、取り付け、
朝から棟梁と建具職人さんが来てくれました。
日曜日なのに、お仕事ご苦労さまです。


仮当てして、
鉋をかけて微調整して、

はめ込みます。磁石で固定してあるので、引っ張ると外すことができます。

うーん! なかなかいい感じ。窓の雰囲気が思っていた以上。
下側の窓と比べると、型ガラスのギラギラ感がなくなり、それと樹脂サッシ枠が見えなくなり、
障子紙の柔らかい光と青森ヒバの柔らかい質感で、圧倒的に良くなりました。


障子紙といっても、ここは日光が直射するところ、紙だと劣化が気になります。
そこで、アクリル板で障子紙を挟み込んだものになっています。
本物の和紙なら日光による劣化はマシなのかもしれませんが・・・。

桟は、他の窓の障子は縦繁(タテシゲ)格子なんですが、
この横長窓には鬱陶しかろうと、最低限にしました。

これで西陽の制御だけでなく、断熱性も格段に向上!
夏でも冬でも快適性が向上するはずです。
(障子の断熱効果は、7/24稿「​・・・表面温度を実測・・・​」参照)

とってもうまくいって、ご機嫌の妻。
棟梁と建具職人さんに手土産を渡して、
コーヒーを淹れておもてなし。小一時間4人で楽しい職人談義、楽しいひと時!

さて、ちょうど西陽の直撃を受ける夕方。

かなり光が和らいで、眩しくなくなりました。
部屋の奥を照らす日光が見られなくなりましたが、光が拡散されて暗くはなりません。

気になっていた夜も、下側の窓と比べると一目瞭然ですが、
窓が外の闇で黒くならず、
障子のお陰で食器棚の上の間接照明が効果的に見えます。



それとキッチンでもう一つ、勝手口のアルミ樹脂複合サッシドア。
ここも、すぐ横の障子と釣り合いが悪くて、気になっていたのです。


けっこう出入りもするし、ドアクローザーも干渉するしで、躊躇していたんです。

それで、障子紙をガラスに直に水糊で貼り付けることも考えたんです。
そんなときフとホームセンターで見つけたのが、これ。

窓ガラスに水で貼り付ける和紙風のフィルム。

フィルムは塩化ビニルなので自然素材の家には合わないかもしれませんが、
キッチンなので直に水拭きできることを優先したってわけです。

上述の障子の設置の後の午後、さっそく自分で貼ってみました。
上側のガラスは説明書どおりにやって、ちょっとイマイチ。

貼ってると貼ってないの差は、かなり大きい。
下側のガラスは自分の工夫を入れてバッチリ!・・・DIYって、練習が本番、あとがない。

よく見ればアラはありますが、遠目にはいい感じになりました。


型ガラスのギラギラ感がないのと、
横の障子との釣り合いがマシになったのと。

格子の縦横が違ってるのはご愛敬。

夜はどうかと見てみると、思ったほど白く照明を反射していません。

障子紙を直に貼っていたら雰囲気がもっと良かったのかもしれませんが、
それでもガラスが夜の闇で真っ黒ってことはなくなりました。

外から見ても、中の人影はほとんど映らなくなり、

横の窓との釣り合いも格段に良くなりました。

これでますます民宿っぽくなってきて、
お出かけしなくても家で楽しく一日中過ごすことができます。
 


台風9号から変わった低気圧の影響で、今は暴風警報かなり強い風と雨。
でも軒が深いお陰で窓は開けておけるので、
家じゅうを風が通り抜けていき、連日の暑さが和らぎます。

一昨日8/7は立秋。まだ夏のピークではありますが、
こうして風雨が吹き荒れると、やはり夏の終わりを感じさせられます。