大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

出窓の木組み造作 ~ 淀川の向こうの山に沈む夕陽を望む窓

6/12「​床板(フローリング)張り・・・​」の投稿から、
施工状況の投稿が途絶えてしまっていました。

この間は大工さんたち、だいたいは​工房​での作業が多かったのですが、
現場が目に見えて変化したことが2つあります。

その一つが、2階西(裏)側の木製造作出窓の取付け(6/17~18)です。
 
こんな出窓を下屋の上につけたいなぁと思っていたのです。


日本では一般的に西陽が嫌われます。
欧米では家の向きにこだわらず、西陽を避けるという発想もないそうです。
でも日本の夏の西陽の暑さはご存じのとおり!
そこで日本では、縁側を南に向けて長い軒で陽射しを遮りつつ明るさを確保、
西には窓を開けないのが伝統的です。

けれどウチの場合は都市近郊の住宅密集地のため、
南側に余地があまりなく、冬に室内への直接の陽射しは見込めません。
そこで、東西面の窓からの採光を、東西方向の風通しも兼ねて考えました。

​ (☝午後の西面2階)​

それと、私自身が夕陽が好きなんです!​
​ウチは淀川に向けて西向きの斜面の中腹なんで、日没まで夕陽が楽しめます。

 ​(☝2/20上棟の日の夕陽)​
そこで、窓配置の常道を敢えて外したのですが、
家のデザインと日光の直射の制御の意味合いとから、出窓にしたわけです。

棟梁には、PCで絵を描いて、こんなイメージでとお願いしました。


既にここ以外の窓サッシは5/25に取付済みということは
6/3「​窓サッシとりつけ・・・​」の稿で述べました。
アルミの出窓サッシなら、施工は出来合いを取り付けるだけで簡単です。


ところがこの造作出窓は、大工さんがまず材木で枠を造作しないといけません。
工房​で手刻みして運び込んだ材木を、現場で組み立てます。
実際にはめてみて、鉋をかけて微調整し、仕口に栓を打ち込んで固めます。
出窓にまで木組みの匠の技です。


明日は雨になるというので、枠は何とか夕方までに作り込みました。


そして翌日、雨が降り出す前に、アルミ樹脂複合サッシを取り付けることができました。
西陽の熱線削減のため、ガラスはLow-E複層の​遮熱タイプ​にしました。
(他は全て​断熱タイプ​です。・・・両者の違いは ☞click​「ガラス選びがカギ」YKK AP
さらに内側に紙障子がつき、外側に防犯も兼ねて格子がはめられます。

まだ横も下も開いたままで未完成ですが・・・。
下の間隔が大き過ぎるように見えますが、この下の下屋に葺かれる瓦の厚み分。

ともかくこれで、窓サッシは全てつきました。
これで窓の施錠ができるようになったので、
玄関の木製引戸だけは未だですが、玄関を合板で塞いで自由に入れなくなってしまいました。