伝統構法の通風思想 ・・・ 窓から風を呼び窓から風を抜く ~ ゼロエネルギーの換気計画
今日から黄金週間・・・昔はこんな言い方もしてたけど、ゴールデンウィークですよね。
4/29といえば、天皇誕生日・・・と思ってる人は昭和の人。2時代も前!
昭和の世界大戦の敗戦で主権在民を手に入れたのは良かったけど、
伝統をかなぐり捨てた時代でもありました。
伝統・・・明治頃のことを言っているのではありません。
明治はまさに維新ですから、文字どおり伝統を否定する立場。
江戸期以前のことを私は伝統と言っています。
それは衣食住すべてに渡って言えること。
そのなかで私は衣・食はできるだけ和装・和食を心がけていますが、
このブログは中でも住をテーマにしています。
石場建て伝統構法で我が家を新築することになってから、
初めて住の伝統的な価値観の素晴らしさと合理性に気付きました。
昔から夏を旨とした建て方ですから、それは言うまでもありません。
でも現代の「工法」による伝統「構法」であれば、
その心配は無用だということは、この家が実証しています。
(そのことについては、過去稿でも取り上げていますので、参照してみてください。)
そして、夏は涼しいというのも、
いわゆる古民家や町家の特長としてまず思い浮かぶことでしょう。
それは高温多湿な日本の気候のなかで、エアコンも扇風機もの無い時代、
気候風土に見事に順応した先人の智恵だと言えるでしょう。
そこで重視されたのは、通風。
そして、屋外と屋内が緩やかに繋がる空間設計。
昭和は遠くなりにけり・・・平成、令和と、無反省に欧州基準を神聖視し、
屋内空間は密閉・密封され、シックハウスに悩み、
機械換気に頼りエネルギーを浪費するという矛盾・・・。
そんなご時勢ではありますが、令和に敢えての石場建て伝統構法の新築。
ここ数日ずっと続いた春真っ盛りの陽気。
日中は屋内に縦横無尽に温かい爽やかな風を通します・・・換気扇からではなく!
屋外と緩やかに繋がることにより、
窓や戸から風と太陽光のエネルギーゼロエネルギーで採り入れ、
夜には閉めて外気と遮断すると、そのエネルギーを溜めておくことができます。
東西方向には、東側の玄関の両開き引戸を開け放しても、
東西方向には、東側の玄関の両開き引戸を開け放しても、
程よい採光と通風を両立させてあります。
2階の東西方向も、各部屋の間仕切り引戸を開放することで、
東の窓☟から
西の窓☟(夕陽が見える眺望)まで
ストレートに風が通り抜けます。
西の窓☟(夕陽が見える眺望)まで
ストレートに風が通り抜けます。
南北方向にも、南側の1階はウッドデッキに面した掃き出し窓は、1間幅全開放。
上げ下げ障子で日射取得や視界を調整しながら、
上げ下げ障子で日射取得や視界を調整しながら、
外と緩やかに開放的に繋がることができます。
北側は浴室やトイレなど水回りが集中していて閉鎖的な空間ですが、
迫る隣家の視線を避ける高所滑り出し窓から南北方向に通風できるようになっています。
迫る隣家の視線を避ける高所滑り出し窓から南北方向に通風できるようになっています。
2階の南北方向も、南側のインナーバルコニーへの引戸や
北側も、迫る隣家の視線を避ける水回りの高所滑り出し窓や、
階段の高所縦滑り出し窓から、
南北方向に通風できるようになっています。
南北方向に通風できるようになっています。
このあいだの日曜日4/25。
外気は午後1時には23℃を突破し、湿度22%まで乾燥して洗濯はよく乾きましたが、
室内は窓を全開放していても22℃台と朝から1℃ほどしか上がらず、
室内は窓を全開放していても22℃台と朝から1℃ほどしか上がらず、
湿度は36%で閉め切ったいつもの夜の41%ほどから大きくは下がっていません。
外の気温や湿度の変動に、窓を開け放していても大きく影響されることはない・・・。
世間では新型コロナ緊急事態宣言の中、新幹線も高速道路も込み合ったようですが、
天気はあいにく雨が結構降りました。
私たちは旅行のアテもなく、でもこの家のお陰で安らかに快適。
実測、外気温16℃、湿度78%。
屋内はほんの少し窓をすかしていて、21℃、51%。
無垢木材が乾燥した日にはパキッと音を立てることがあるのですが、
こんな日は静かに深呼吸して潤いを楽しんでいるようです。
そして、室温20~25℃、湿度40%以上で、
コロナウィルスの感染力が下がるそうです。