大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

大阪・関西万博のシンボルが世界最大級の木造建築って … しかも伝統的構法 ~ 我が家と同じ!規模違い過ぎ!!

先日(6/28)我が家を建ててくれた日伸建設建て方現場​を見学に行ったのを機に、
2年と数か月前の我が家を思い返してみる・・・



昨日7/18は、2025年の大阪・関西万博開幕1000日前イベントが開催され、
公式キャラクターの愛称が「ミャクミャク」に決まったと発表されました。

1970年の大阪・千里万博に両親に連れられ十回ほど見に行き、
社会科の教員になろうと心に決めた当時10歳の万博少年だった私は、
再び大阪で万博が開催されると発表されたとき、を膨らませたものでした。


​(☝これらのパビリオンは当時、鉄骨で仮設されたものだったようです。)​​

けれど今度の万博には、それからいろいろ闇の部分も見えてきて、
気分も萎えてきています。​
それというのも、まずは閉幕後の跡地にIR(カジノ)を開設することを前提にしていること。

IRの賛否を問う住民投票直接請求へ有効署名が法定数を超えたのに、
大阪市廃止「都」構想の住民投票を2度もやるほど住民投票好きの行政当局は、
これを拒否する構えです。

それに、IRに公費を投入しないと断言していたのことへの公約違反も問題ですし、
いろんな利権にまみれているのではと、疑惑が膨らむ一方です。

冒頭のミャクミャクも、今の大阪を象徴しているような異様なデザイン。
「吉本」に代表される歪められた大阪のゲスい印象を象徴しているようで、
画像をアップする気にもなりません。

横浜も和歌山もカジノの話しは市民の良識の力で消えたのに、大阪は・・・。
IRのために万博をしたいのかと、万博爺さんも興醒めしてしまいます。


そんななか、ひとつ、嬉しい報道が!
なんと、大阪・関西万博の会場のシンボルとして設けられるリング型の建物が、
直径約600m、約6万平方mの世界最大級の木造建築になるというのです。

おお~っ! これって、伝統構法の我が家と同んなじ建て方やん!!



これだけ大きいと、我が家のように天然乾燥無垢材で、
地場の工務店が建てるってことにはならず、
エンジニアリングウッドで大手ゼネコンが建てるんでしょうけどね。

過去稿(​2020/6/18​)で触れたように・・・
せっかく木造で新国立競技場を建てたのに、その建設にあたり、
熱帯雨林皆伐され地域住民が困窮!なんて問題が起きなければいいんですが。



何年か前、このブログで何度も触れている「​木の家ネット​」の事務局に、
大阪・関西万博で伝統構法のことを世界に向けて発信できればいいですね!
みたいなことを無責任に言ったことがありました。

2005年の愛知万博愛・地球博」で人気を博した
となりのトトロに登場するサツキとメイの家の「本物」を建てたのは、
木の家ネット加盟の大工さんたちだと知ったからでした。




その愛知万博の跡地は愛知最大級の公園モリコロパークとして活かされて、
愛知県民の憩いの場となり、日本を代表する観光地のひとつとなりました。
 

更にこの秋には、一部がジブリパークとしてリニューアルオープンとのこと。
木の家ネットの皆さんが建てた「サツキとメイの家」を中核に、
日本の文化が世界中から観光客を呼び込むことになります。

それに引き換え、大阪・関西万博の将来が賭博場とは・・・。
大阪の知性・品性の乏しさを世界に曝すような発想の貧困な構想では、
大阪人として肩身が狭い!



大阪での万博は、今度が3度目。

1970年の日本万国博覧会の跡地は、天才芸術家(故)岡本太郎の「太陽の塔」を核に、
万博記念公園」としてリニューアルを続け、
すっかり府民の憩いの場、賑わい創出の拠点として定着しています。

1990年の国際花と緑の博覧会は、今のSDGsを先取りするかのような万博。
その跡地も府民の寛ぎや文化やスポーツの拠点としてすっかり定着。
その迎賓館で、私たちの息子夫婦も結婚式を挙げました。
 
そして、千三百数十年前(難波宮)から都市開発が始まり、緑の極端に少ない大阪に、
両方とも貴重な広大な森を提供しています。

こんど2025年の大阪・関西万博が、
この世界最大級の木造建築の建設をきっかけに、
それを核にした日本文化の世界への発信拠点であり続けられればと思います。

そして生物多様性ホットスポットAランクの海浜地域という夢洲(ユメシマ)​の特性が生きる
世界有数の大都市圏のなかにある野鳥の楽園であり続けられればと思います。

そうすれば、大阪市府民にとどまらず日本国民みんなの財産となり、
まさに自然を生かしながら発展してきた日本らしいSDGsの発信拠点として、
世界中の財産となります。



大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。
跡地がカジノでは、まったくチグハグというもの。

未来社会のデザインは、今やSDGsサステナブルを避けて通れません。
それは、前世紀型の工業製品やエネルギー消費やAI偏重思考からの脱却が本質のはず。
目先のカネではなく、いかに環境に負荷をかけずに持続可能性を担保できるか。
木の家ネットの皆さんがそれを一部具現化した「サツキとメイの家」は、
まさにそれを語りかけていると思います。

こんどの世界最大級の木造建築は、
まさにSDGsのSustainable Developmentの象徴となり得ることでしょう。


(2025年日本国際博覧会協会)​

デザインを担当する建築家の藤本壮介氏は、
「日本には古くから木造建築の歴史がある。伝統的な建築の趣ももたせて、
万博で、日本の建築を世界にアピールしたい」とおっしゃっているそうです。

その本旨が跡地利用にも本質的に生かされるとしたら、
我が大阪での関西万博も楽しみ!というもんです。



大阪・関西万博のシンボル大屋根のニュースから、
我が家の2年ちょっと前の様子を思い返しながらアレコレ考えてみました。
両方とも百年二百年後の世界に贈れるものになってほしいものです。