大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

住宅メーカー探し

さて、そもそもの始まりの頃の話しを今さらながら、もう3年近く前にさかのぼって・・・。
この歳で家を新築せざるを得なくなった。
とにかくあっちこっち当たってみなくては・・・というところから。


住宅メーカーのホームページ探し、
住宅展示場めぐり・・・。
一括設計見積りサイト・・・。

テーマは「耐火」「耐震」「自然素材」。

火災が新築のキッカケだったので、「耐火」は外せない。
東南海大地震が迫っている今、「耐震」は必須。
そして、焼け跡の激しい化学物質の臭い、
材木は焦げただけなのに溶け落ちたプラスチック類を見ると、
「自然素材」はメインテーマとなった。

初めに見に行ったのは、建売住宅を扱う地域の不動産会社。
なかなか気配りもセンスもいい建売住宅。しかも安い!
けっこうオシャレやし、こんなんでエエやん!
・・・予算の問題もあり、心は動いた。

WEB検索で見つけたのが、
高槻の「木と漆喰 十津川の家」
大阪大学の建築デザイン研究チーム×奈良県十津川村産直材。
コンセプトもモデルハウスも気に入った!
候補に入れる。

その次の候補は、枚方の「森田建設」
社長自身の独り暮らしのときのシックハウスの経験から
自然素材の家にこだわっている地元の工務店
社長のご自宅兼モデルハウスで、延々しゃべりこんでしまった。

住宅展示場にも足を運び、一目惚れしたのが、堺の「町田工務店」。
無垢材、漆喰、制震ダンパーなど、素材や性能の素晴らしさもさることながら、
コーラルストーンという珊瑚石灰岩をうまく使った意匠に、
沖縄大好きの私としてはどうしても候補にいれたいところ!

他にもいろいろ、20社近く資料集めや会社訪問やモデルハウス見学をして、
最後にWEB検索で見つけたのが、交野の「日伸建設」。
昔ながらの頑固そうな棟梁が、自分で山に分け入り伐ってきた大木を、
自社で自然乾燥させて、手刻みで材木にし、金物をほとんど使わずに組む。
そもそも和物が好きで、真壁(大壁でない)の家がいいなと思っていたので、
田舎のおばあちゃんの家に帰ってきたような施工事例に魅せられてしまった!

こうして見てくると、どんどん目が肥えてしまって、
最初の建売住宅は論外になってしまった。
悩みに悩んで、最終候補の4社と打ち合わせを重ね、
結局選んだのは、​「日伸建設」​。

やっぱり無垢材に包まれるように暮らしたいと思ったこと。
そして、棟梁(社長)自身が阪神淡路大震災の復興に携わって、
倒壊した家屋の化学物質でひどく体調を損ねてしまった経験から、
自然素材の重要性を熱く語ってくれたこと。
山で棟梁自身が木を選び、プレカットでない手刻みの材木から造り、
それを伝統の技で現代金物を使わず組み上げるという、
技能の継承にも力を入れている会社の姿勢に感服したから!

それにしても、当初これでエエやん…と軽く考えていた予算の
軽く倍はいきそうな感じ・・・どう工面するか???
いや、そんなことより、現代に生きる日本の伝統が生きる家、
百年後に古民家として堂々と生きている家にしたい。

そんな思いは、
京都府南丹市で築百年の古民家を借りて暮らす次男の家の影響も。
こんな家が、現代の技術で時代が求める性能を満たせれば!

現代の古民家にしたい・・・そんな思いを受けて、
棟梁は当たり前のごとく、実現しましょうと自信満々に言ってくれたのでした!

 

とはいえ、それは在来軸組み工法での話し。

その頃は、石場建てという言葉さえ知らない頃でした。