大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

資材搬入~来週いよいよ建て方

​​
                                   (​日伸建設​の一昨年の建て方現場)
建て方・・・現場で主要な構造材を組み立てることを言います。​​
棟上げ・・・屋根の一番上の部材である棟木を取り付けること。
上棟式を行なうこともあり、建て前とも言います。
(言葉の定義は、地方によって微妙に異なる場合があるそうです。)


                                    (​日伸建設​の昨年の建て方現場)

その建て方、ウチでは、いよいよ来週というところまできました。

そこで、もひとつ、先を越されネタから・・・。
2月4日の記事​とは別に、町内にもう1軒、新築予定地がありました。
それが​2/11​、​我が棟梁の工房​に​お邪魔して​帰って来たら、
足場がもう組み上がっていました。

ここにも先を越されるなと思いながら、一昨日(2/12)仕事から帰って来たら、
なんともう棟上げ屋根じまいまで完了していたのです。
朝8時には工事の音が聞こえ始め、
夕方5時半には既に工事を終えて引き揚げた後でした。

ここを手掛ける建築会社は、全国展開の準大手ハウスメーカー
HPを見てみると、
プレカット集成材・筋交いに金物補強・サイディング張り・スレート葺き、
グラスウール断熱・ビニールクロス仕上げ、
低価格・高品質で工期が短く、地球に優しいことをウリにしています。
F☆☆☆☆建材なのでシックハウスも安心、
「あっ!新しいお家の匂いだ!」とのこと。

う~ん・・・何をか言わんや!
ツッコミどころ満載​​でも、こんなことがウリになり得る。
でも、これで納得させられるんですねぇ・・・普通は。

但し、このハウスメーカーの集成材は杉材。
国産間伐材の有効利用や日本の気候の面などから考えて、
一定評価できるでしょう。

もう1軒の近所の建築中の家​はスプルースの集成材でしたが、
スプルースは北米産またはロシア産のマツ科の何種かの木の総称で、
樹種が不明確なうえ耐久性は低く最も腐朽しやすい材なので、
どうせならせめて杉集成材にしておきたいところ。

ともかく、1日あればできるんですね。普通の在来工法は。
ここもウチと大差ない建坪30坪程度の規模です。
それは確かにメリットと言えるでしょう。

一方ウチの場合は最低3日、一応4日間を見込んで、
熟練大工さんを応援に招いて10人近くで手がけるそうです。
人手も手間もかさむうえ、
その期間は近隣にご迷惑をおかけすることにもなります。
その分、良好なご近所付き合いは欠かせません。

その建て方が、いよいよ来週に迫り、
その材木・資材が、昨日(2/13)搬入されてきました。
朝の8時から小材の搬入が始まって、
9時からは主要構造材の檜材が運び込まれてきました。


今週末は雨の予報ということもあって、
うず高く積み上げられた材木の山に
ブルーシートを掛け終わったのは、夕方5時半。
「いやぁ…、たくさんあったぁ!」と、棟梁も自ら・・・。

これだけの大量の材木でも、3日間の予定の建て方の2日目までの分。
これらを組み上げてしまってから、梁などの巨木を運び込みます。
総量は、同規模の普通の在来工法の家の、ざっと3倍はあるでしょうか???

ブルーシートにくるまれていても、
辺りは檜の芳香に包まれています。

明日には足場の組み立てが始まります。
敷地にベースコンクリートが布設され、礎石が設置されてなお平面だったのが、
ついに立体となって立ち上がってきます。

国土交通省が発表した2019年の新設住宅着工戸数は4.0%減の90万5123戸で、
それでも3年連続の減少となったそうですが、
石場建て伝統構法住宅の着工は、今では全国で恐らく年間多くて3軒程かな。
そんな滅多にない機会を与えていただいた様々なご縁に心底から感謝です。

既に見学依頼が複数ありますが、この機会にご覧になってみたい方は、
事前にご連絡ください。