大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

建て方3日目~上棟!

※ これは、2/19日時点の記事です。

上棟・・・棟上(むねあげ)、建前ともいい。木造建築で棟木をつり上げ取り付けること。

建て前3日目、今日中に上棟までこぎつけられるか・・・。

石場建てたるゆえん・・・礎石に乗って立っているだけです。
それでもびくともせず、これで耐震性はかえって高いんです。

さて、昨日のうちに1階は組み上がって、今朝はここ2階からです。

朝イチの打ち合わせ。
それからどんどん2階だけの管柱と立てていって、
それらを梁や桁や貫などでつないでいきます。


お昼前には、屋根の裏側にあたる瓦の下地の板が到着。
2階には天井を張らず、この野地板がそのまま表しになるので、
かなり節の少ない見事な赤身の杉(杉の赤太)。
杉の赤太は頑丈で水に強く、それは檜に引けを取りません。


桁を次々と入れていきます。
本来1本の材木にしたかったんですが、そこは街中。
10mほどの長さの1本材だと、長過ぎてウチの周囲の道路には入って来られません。
そこで、3分割にして、複雑な継手で継いでいって、木製の込み栓で留めていきます。



あまりにもキチキチにホゾとホゾ穴を作ってありますので、
一度はめてみると微妙にはめ込みきれないこともあり、
現場で精密採寸し直して、若干ホゾ加工を修正することもあります。
そこはさすがの匠、プレカットを扱う大工さんでは、これは難しいです。


和小屋組が見えてきました!
西洋の木造住宅の小屋組みはトラス構造といって
△の連続になるように材木を組んでいくのですが、
この日本伝統の組み方を和小屋と言うのです。


それにしても、今日は雲一つない、風もほとんどない、寒くもない暑くもない最高の天気。
この調子で作業がはかどると、夕方のいい時間には棟が上りそうな予感。


母屋(屋根に棟木と平行に縦に入る材木)が全部はまったかな?

さて最後に棟木(屋根の一番高い位置にある棟と平行に取り付けられる部材)です。
これもまた3本継ぎ・・・。
結婚して出ていった息子夫婦も孫を連れて来て見守ります。
いよいよ最後の一本、槌でコーンコーン打ち込まれていきます。

「棟上げ完了しました! おめでとうございます。」 大工さんが宣言!
感動の一瞬です。従事した​日伸建設の大工さん​と応援の大工さんの7人が棟木の上に勢揃い、
最後のひと打ちを全員でコ~~ンと打って、記念撮影。

これが、画像ファイル名を見たら1700.計ったように5時キッカリ!
棟梁のすごい段取りと、それに応える大工さんたち。
素晴らしい上棟となりました!

大工さんたちが降りてきて、応援の超ベテラン大工さんが棟梁に一言。
「攻めた仕口やったなぁ!」

どういう意味か尋ねると、
手刻みの場合ホゾがかなり長く、全部そうすると現場で結局は組めなくなるので、
場所によっては雇いザネと言って、ホゾを削り出すのではなく、その部分を別に作って、
何か所かは組んだ後から雇いザネをはめ込んでいって材木同士を接合するのですが、
それが極力少なくなるように仕口を刻んであるということ、
その方が強いけれど、組むのが難しくなる。下手したら、組めなくなってしまう。
その加減がものすごい攻め方だったんだそうです。


石場建て伝統構法、初設計初棟梁物件。お見事です。
今日のこのめでたい日を2年越しで無事迎えられたのも、
関わってくださった皆さんとのご縁、皆さんの努力のお陰です。ありがとうございます。

明日は建て方4日目最終日。
仕口や継手などに込み栓やハナ栓や楔などを打ち込んで締めていきます。
そして屋根に垂木を据えていって、野地板を張っていって、屋根じまいができたら、
建て方終了、応援の大工さんはそこまで。

そして、上棟式! 新たな段階がスタートです。

 

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