大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

荒壁付け2日目・・・土壁づくり:表面下地塗り体験記

荒壁付け2日目。
昨日は奥から進めていって、6人がかりで1日で9割がたまで!

さて昨日、少し荒壁付けを体験させてもらったことに触れました。
作業の邪魔にならないように、3時の休憩のときに頼んでみました。
そしたら、「ココなら、上から板張りして見えなくなるトコやから、いいよ!」
・・・ということで、日伸建設の社長さんも見守るなか、
息子と二人で道具を持たせてもらってイザ挑戦・・・ちょっと緊張。

そもそも鏝板(コテイタ)を持つ向きから分からん!
まごまごしてたら「左手に、角を切り欠きしてある方が手前」と教えてくれ、
息子が鎗(ヤリ)で壁土をすくって鏝板にのせます。
​​(一輪車にのっているのがヤリ / その向こうのがコテイタ)​​

「どっちから塗り始めるんですか?」
「上から下やで!」
見てたつもりなのに、イザとなったら分からんもんです。
右手の鏝(コテ)で壁土をすくって壁に押し付けようとすると、ボタッ!
いきなり地面に落ちてしまいました。
鏝で壁土を下からすくい上げるように塗り付ける・・・見てたつもりなのに。


荒壁土は見た以上に粒子が荒く粘く、藁も入っているので、
思ったように伸びません。
グッと力を入れて竹小舞に食いつかせながら平滑に塗るんですが、
小舞竹が縦に並び断面が凸側のツルんとした表面ということもあり、
左官屋さんは簡単そうにやってたのに実際はけっこう難しい!
角や柱の際も、なかなかうまく納まりません。


写真のたかがこれだけの面積をキレイに塗り終えるのに、
15~20分はかかったかな?

左官屋さんは、この倍ぐらいの壁面を、5分ぐらいで?仕上げていたんじゃ?
しかも、私たちが塗るとけっこう凸凹をならすのが難しいのですが、
左官屋さんがやるとかなりツルツル平滑です。

裏側から見ても違いは歴然。
私たちが塗ると、竹小舞の裏側にあまり土が食い込んでいませんが、
左官屋さんが塗ったところは、ボッコリ土団子が食い込んでいます。

​(↑自分らで塗った裏側 / 左官屋さんが塗った裏側↑)​​
見るとやるとは大違い! 職人さんの技に、あらためて感服です。

さて今日。2日目。
来られた左官屋さんは3人。
1人が鎗で壁土を塗り手に渡さないといけないので、
なかなか独りではできません。

残りは、ほぼ正面1階の外壁ぐらい。
昼過ぎには、完了報告が棟梁に入ったとのこと。
なんということでしょう!
3~4日かかりそうと事前に聞いていたのに、延べ人数9人とはいえ、
1日半で終わってしまいました・・・なんか肩透かし。


とはいえ、このあと最低3週間は乾かさないと
裏返し塗りができないとのことなので、
一日でも早く終わったのは良かったです。
左官屋さん、奮闘ありがとうございました。お疲れさまです。

このあと天気予報によると、4/29までの1週間は晴(曇)予報!
2日目の今日、少し乾いて土の収縮によるヒビが入り始めました。


建て方開始の週も、荒壁付けの週も、前日の雨のあと1週間晴れました。
お天道様にも感謝です。

竹小舞で向こうが見通せた壁のあるべきところが文字どおり壁になり、
もう一段階「家」になってきました。
 
左官屋さんが言っていました。
「こんな仕事、久しぶりや。あってもお寺の修復ぐらいかな。」・・・
「出番が減っている左官屋さんに、活躍の場を提供したい。」と言う
日伸建設の棟梁の心意気に、大いに共感します。

土壁の魅力については、ぜひ「​木の家ネット​」の
「​土壁の魅力​」(☜click)の記事をご覧ください。