大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

板金屋さんの手仕事 ~ ガルバリウム鋼板葺 ・・・屋根葺き終了

今日8/9は長崎の原爆の日
日本は、二度も原爆を落とされた。そこまで当時の日本は戦争を泥沼化させた。
2つの都市が壊滅し、たった2発で亡くなった方は21万を数えるという。
そして今も被爆の後遺症で苦しむ方がいらっしゃる。過去の歴史ではない今。

それでも世界も日本も、懲りてはいない。
世界では核兵器の開発が今でも進められ、日本は核兵器禁止条約を批准しない。
なのに​SDGs​などと言っている。

イージスアショアが、辺野古基地が、あろうがなかろうが、
戦争に至らせた時点でアウト。核兵器ならたった1発で、家も街も、そして命も失う。

75年前のこの時季より今は暑いのでしょうか? 連日猛暑が続きます。
そこに新型コロナの更なる感染拡大。
家で過ごすしかありません。

エコが叫ばれるなかで、住宅性能としてエアコンのつけっぱなしでの効率が、
そして閉め切って24時間連続換気が求められています。

でもそもそも、エアコンをつける必要ができるだけ少なければ、
電気をつけっぱなしにせず換気できれば、
そんな​気候風土適応住宅​的な、できるだけ機械に頼らず暮らせることが、
そもそもの家の基本性能ではないでしょうか。

そんな猛暑のなかでも、石場建て伝統構法の屋内造作工事は続きます。
もちろんエアコンはまだありません。扇風機で作業が続けられる環境が求められます。

日伸建設​の親方によると、大工さんが建築中に新建材の化学物質に被曝するとのこと。
ウチの大工さんによると、こんな猛暑日でも、ここはモワっと感が少ないそうです。
 
作り手にも優しい木組み土壁の家ですが、先週は大工さんによる屋内造作と並行して、
板金屋さんがこの猛暑のなか屋外での作業です。

8/6(木)と7(金)に渡って、4人も来てくださいました。
陽が陰り風が吹くこともあったので多少はマシだったでしょうが、
それにしてもご苦労に頭が下がります。

さて、家づくりにはいろんな職人さんが携わると、
大工さんの他、電気屋さん・水道屋さん・左官さん・瓦屋さん・サッシ屋さん・設備屋さん
と挙げましたが、板金屋さんを追加!

何をしてくれるかというと・・・屋根。
というか、大屋根は淡路いぶし瓦で葺いたのですが、
下屋の瓦と外壁の継ぎ目のところは、板金で押さえるのですね!

出窓の下、狭い奥の方で、メチャクチャやりにくそう!

そして下屋や庇は、そのものをガルバリウム鋼板で葺くのです。

本当は銅板で葺きたかったのですが、費用的な面と、
近年は酸性雨で銅は腐食することがあるということで、
比較的安価で耐久性が高いと言われるアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板で。
色は見栄を張って、銅が錆びた緑青色に・・・真似ても全然違うのはご愛敬!

昔なら亜鉛めっきのトタン葺になるところですが、アルミ合金で大幅に錆び難いそうです。
とはいえトタンの亜種ですから、安っぽく見えるのも確か。
余談ですが、外壁材としては、トタン張りのバラックっぽくなってしまう気がします。

まずは若手の大工さん渾身の木組み庇。
1日目で葺き終わりかと思ったら(写真右上)、
2日目には壁際の庇の根本のところもきちんと板金で覆われていました(写真右下)。


インナーバルコニーのところも。1日目(写真左上)、2日目(写真右上)。
インナーバルコニーは一般的には1階の天井がバルコニーの防水床になっているのですが、
やはり長期的に見て雨の滲み込みが気になって、下屋に載せる形にしてもらいました。
その方が木組みの家としては何かカッコイイとも思ったし(写真下)。


2日目には、板金屋さんが作業しているところを見ることができました。
四角い板を並べて貼っていくだけかと思ったら、
1枚1枚丁寧に金切り鋏で切って曲げて形を作っていく、かなりの手間です。

腕のいい板金屋さんはなかなか捉まらないそうで、
待ちに待ってこの日ようやく来てもらえたとのことでした。

そしてこちらは、正面の屋根の北側の部分。
意匠的に敢えて段差を設けたお気に入りのところです。
ここは下屋というより屋根なので、瓦と似たような色にしてもらいました。
本当は瓦で葺きたかったのですが、ウチが小規模すぎて、瓦を載せる余地が無く・・・。

この家は北側斜線の関係で、棟が真ん中より正面から見て左に寄っています。
それで、棟が真ん中にきてるようにも見える外観上の工夫を
デザインスケッチにして提案したら、棟梁は見事に実現させてくれました。
​​(実際とは異なります。)​​​

そして家の裏側、淀川を見渡す木組み出窓の屋根。
他のところは銅板葺風に横葺(一文字葺)にしてもらったのですが、
ここは傾斜が緩いので縦ハゼ葺になっています。


これで屋根関係は、樋を残して一応の完成。
金属屋根の葺き方は他にもいろいろあるみたいで、調べてみると面白いです。

8/7(金)には、外壁にする無垢杉板が搬入されてきました。

よくある焼杉板のような薄い板ではなく、
断熱性能も期待しての30mm厚の板で全面を覆います。
お盆明けからの工事になりそうです。

そして、8/1(土)に京都京北の​原田銘木店​に、
玄関式台の杉板に京名栗を施してもらいに棟梁と依頼​しに行ったのが、
できたよ!と8/6(木)に動画と共に連絡が届きました。
なんか、これ、すご過ぎかも!・・・これは来週のお楽しみです。