大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

大工工事 ~ 再開1週目 : 棟梁が直に手掛ける元請け工務店の真骨頂

今週初めから本格的に再開された「大工」工事。
???・・・大工さんの工事って、家は大工さんが建てるんでしょ?!

まぁ、そう・・・大工さんはその中心的存在なんですが、
家づくりにはいろいろな職人さんが携わります。

最初に構造体(柱や梁や屋根を建てたのは、もちろん大工さん。
それから竹屋さんが竹小舞を編んで、
電気屋さんが配線して、
水道屋さんが配管して、
左官さんが荒壁土を塗って、
瓦屋さんが瓦を葺いて、
サッシ屋さんが窓を作って持って来て、
設備屋さんがユニットバスを組み立てて・・・。

こんな単純にトントン拍子でもないんですが、
それから大工さんが窓を取付けて床を張って・・・、
とりあえず先週末はこの辺りまでの大きなところが済んだ段階。

そういう段取りを現代ではほとんどの場合、現場監督が行ないます。
営業は売るだけ、設計は設計するだけ、製材はプレカット業者に外注、
あと、大工は組み立てるだけ、設備屋さんやクロス屋さんなどが仕上げる。
それらを、自分では作らず何軒も掛け持ちの監督が統括するのが一般的です。

一方、​日伸建設​は、設計から材木の刻みも木工事の施工も職人の手配なども、
大工が自分で実際に作る家を一貫して手がけます。
そんな大工を「棟梁」といいます・・・いわば家づくりの総合プロデューサー。
そして、営業し複数の現場を統括するのも、自身が大工の親方(社長)。

なので棟梁や大工さんたちは、自分が手掛ける現場に他職種を入れている期間は、
工房でいろんな部材の製作をしています。(他の現場の応援に行くこともありますが。)

で、今週からそんな自分で作った部材を取り付けていく工事が始まり、
今日で1週間たちました。

月曜日(7/13)のことは「​現場工事再開・・・​」の稿にしましたが、
その一番下の写真​、1間幅の大きな開口部は、
​火曜日に真ん中に間柱が立てられ、右側が半壁戸袋に、左側が引戸になります。

​   (↑左側は階段室、右側が部屋の引戸と半壁↗)​

水曜日には、水道屋さん再び登場。
2階の手洗い場とトイレに配管されました。


LDKでは、棟梁が鴨居を鑿で微調整しています。
全ての造作は、こうして現場合わせで精密に加工されます。


工業製品を搬入して現場では設置するだけというのが一般的で
近年ではあまり見かけない現場風景ですが、
匠の技は、こうして守り継がれています。

木曜日、2階。
大黒柱と、向き合う小黒柱との間の敷居の工事が始まりました。
両側とも全面畳敷きの部屋になるのですが、
大黒柱のところなのですごい幅の見切りに、
3連引戸のこれまたすごい幅の敷居が本実(ホンザネ)加工でアウトセット接合されます。

   ​(仮合わせ☝)​​

南側の外壁で作業しているのは、将来有望な若手の大工さん。
2階の掃出しの布団干し兼エアコン室外機置場デッキの桁が据え付けられ、
1階の窓の上に庇も付きました。

この部屋にエアコンは当面設置する予定は無いのですが、
この勢いで真夏の高温化が進むようなら将来必要になるかもと念のため。
庇は、この上の軒が半間出ているので、それで真夏の直射日光は遮られるのですが、
小雨でも窓を開けていられるという意味で必要だと考えています。

金曜日。昨日の大黒柱と小黒柱との間の特大敷居の設置作業の続き。
かなりの手間がかかっているようで、まだまだかかりそうです。


そして今日(7/18)土曜日。
吹抜けから見上げると、大工さん(棟梁の先輩)が思案中。
例の大黒柱と小黒柱との間に3連鴨居を仮載せして、納まりを確認しています。


1間半幅で引戸を全開放して2部屋を一体で使えるようお願いしたのは私ですが、
こんなに施工が大変だとは! 本当に感謝しかありません。
・・・これは普通のハウスビルダーなら引き受けてくれないでしょうね。

あと、トイレの引戸と半壁の枠ができあがりました。
左の手洗い場と区切られたことで、トイレの室内空間が具体的に見えてきました。
ここ、そもそもは右側の柱を直に戸枠に、左に引く戸の図面になっていました。
それをこないだの日曜日にフと思い立って、
引戸の位置を左に少しずらしてほしいと急遽お願いしたところ。
棟梁「できるかな…」と言いながら、結局そうしてくれていたのです!
こんなことも普通のハウスビルダーなら、まず無理でしょうね。
大工さんと施主が一緒につくる家、元請け工務店の真骨頂と言えるでしょう。

そんな融通をきかせてくれた棟梁、今日は外壁に防水シートを張っています。
かなり複雑な形状の木組みなので、こんな作業でも一筋縄ではいきません。
外から土壁が見えなくなるのは寂しいところですが、
この上から通気層を挟んで無垢の厚板が張られて板壁になります。

大工さんたちと直に言葉をかわして、お茶菓子を出し・・・そんな毎日、日常。
期間はものすごくかかっていますが、まだまだ続いてほしいほど幸せな日々。
心から感謝感謝。

今週1週間、お疲れさまでした!
来週もよろしくお願いします。明日の日曜日、ゆっくり休んでくださいね。
(休みの日にフと思い付きのお願いはしないようにしますから!)