大阪で伝統構法の家づくり!・・・石場建て/木組み/土壁 ~今さらマイホーム新築

五十代も後半、自宅を再建新築。 今さら住宅ローン!建売りのローコスト住宅か…。 で、行き着いたのはやっぱり自然素材、地元の工務店。 手刻みの材木、金物をほとんど使わない躯体、美しい木組み。 間取りの打ち合わせがほぼ終わった頃、棟梁がつぶやいた。 「ホンマは石場建てがエエんやけどなぁ・・・。」 「えっ?石場建てってなんですのん?!」・・・ 家造り、伝統構法について、発信していきます。

入居1年 … 石場建て伝統構法の新築に暮らしてみて ~ 真冬の温熱環境!再び

今月は、この石場建て伝統構法で新築した我が家に入居して1年目。
昨年の1/16(土)~17(日)に引越しして、ちょうど1年目ということで
ブログを更新しようと思ってたのに、バタバタ忙しく月末になってしまいました。

さて無垢無塗装杉板の外壁は、ひと夏越して、どう色が変わったでしょうか?

上が2021/1/4。正月明け早々、​棟梁​がウッドデッキを作ってくれているところ。
下が2022/1/31。時間は上が10時前で下が11時半頃で、影の映り方が違いますが、
こうして見ると1年ぐらいでは変化は感じられません・・・微妙に濃くなったかな?


あらためて​「新居に入居!~山のような荷物をどう収納するか?・・・(2021/1/30稿)」
を見返してみると、「引越しも2~3か月かかりそうな予感」って書いていますが、
暮らしが一定落ち着いてからも、まだ開封していないダンボール箱がいくつも・・・!


を見返してみると、こんなふうに書いています。


昨年の冬は引越しの片づけで忙しく、ブログをあまり更新できていませんでしたが、
今あらためて真冬の温熱環境を調べてみると・・・。

エアコンは家じゅうで1台、1階の14畳用の床置きエアコンを
22℃設定で24時間点けっぱなしです。

最高気温10℃以上、最低気温5℃以上の日は、
室温は、1階は20℃台、2階は19℃台。

最高気温10℃未満、最低気温5℃未満の日は、
室温は、1階は19℃台、2階は18℃台。

・・・いつでも概ねこんな感じです。

2階の主エアコンは、息子一家が泊まったときに使っただけ、
寝室の補助エアコンは、室温18℃ほどのときに、たまに3時間ほど点けています。

1階の暖気は、この格子吹抜けと階段室から2階に導かれ、
2階小屋裏のシーリングファンで攪拌されるので、

どの部屋に行っても温度差はあまり感じません。

エアコンの暖気が全く及ばないトイレと脱衣場は、いつも16℃台。

その都度、人感センサーでセラミックヒーターが点きます。

同じく玄関土間は、いつも10℃台。

室内とは引戸で仕切られていて、玄関に出るとヒヤッとしますが、
外から帰ってくるとホッとする温かさで木の芳香に包まれます。


・・・というように、室温は昨年とほとんど変わらないと思うのですが、
昨年と明らかに違っているのが湿度!

昨年は湿度が40%を下回ることはないと書いていますが、
今年は日によって38%まで下がる日があります。

土壁が1年たってすっかり乾いてしまったんだろうと思われますが、
やはりエアコンの除湿力の影響も大きいでしょう。
逆に、エアコンをかけっぱなしでもそれ以上には下がらないのは、さすが土壁?!

40%を切ったときは、さすがにエアコンの上に濡れタオルを吊るしたり、
​電熱風炉釜でお湯を沸かしたり、補助的に小さい加湿器(※)も使ったり。​
お風呂の後は室内側の戸を開放して、湿気を室内に呼び込むのも効果的です。


(参照2021/12/26稿「こんどは大寒波襲来!・・・エアコン暖房の伝統構法」)


それにしても、無垢無塗装杉板のフローリングは、快適です。
ちょっとした傷や水の滲みができたり、継ぎ目が微妙に開いたりと
多少の変化はありますが、肌触りといい温かみといい、合板の比ではありません。

素足でも・・・暖かいと言えば嘘になりますが・・・冷たくはない。
杉は柔らかく空気を含んでいるので、
足裏の体温がフローリングに逃げないんだそうです。

しかも杉には、身体の免疫を上げる効果のあることが、分かってきているそうです。
病気がちで弱っていた老犬が、実際この1年この無垢杉板の上で暮らしてきて、
明らかにずいぶん元気を取り戻しています。

このことについては、2021/6/13稿
でも述べましたが、また近いうちに別の視点からも取り上げようと思います。


​​(※小さい加湿器)​

年の始めのためしとて … ちょうな始め ~ 2年目始めの伝統構法の我が家

♪年の始めの例とて 終なき世のめでたさを
 松竹たてて門ごとに 祝う今日こそ楽しけれ
この歌、「いちげついちじつ」と読むんですってね! 初めて知りました。
格調高い歌詞の言葉を聞くと、あたかも伝統構法の木組みを見るようです。

そんなお正月もあっという間に過ぎて松の内も明けました。
その松の内、関東では1月7日迄とされているそうですが、
大阪では伝統的には1月15日迄なので、ウチではしめ飾りはまだ下げていません。

とはいえ、明日からは本格的に1年が始まります。
そしてこの家にとっては、2年目が始まります。
1年前、入居はまだでしたが、1月11日に遷仏法要(仏壇の引越し)をしました。


妻が言います…「みんなが集まってくれたんは、もう一週間以上も前やねんなぁ。」
1/1稿​「年頭にあたり・・・」​の最後に触れたんですが、
元旦には親族が11人集まり、狭い我が家に私たち夫婦とで13人・・・tha実家でした。

そこでそのために、ちょっとだけ我が家に手を入れました。

まずは、この階段ホールにも座卓を置いて居室として利用したんで、

階段の下に置いてあるものが見えないように、簾で目隠ししました。

居間は、洗面所の出入口の前の床に座ると、そこだけ少し寒さを感じるので、
洗面所の高窓を少し空かして、ガスファンヒーターを入れました。

ガスストーブもあるのですが、幼児も集まるのでファンヒーターにしました。

普段はエアコンしか使わないのですが、
外出帰りなど局所的に暖をとりたいときや、早朝など一気に室温を上げたいときのために、
前の家で使っていたガス暖房器具を使えるようにガス栓を設置しておいたんです。

それと、とりあえず前の家から持ち込んだテレビ台。
・・・というか、二十年以上仏壇の下台に使っていた合板の組み立て家具なんですが、
本体はそのまま利用して、とりあえず天板と脚板だけ無垢材を取り付けてみました。

天板は息子が岐阜の原木市で仕入れてきてくれた栓の木に息子が鉋掛けしたもの、
脚板は私がホームセンターで買ってきてコーヒーの出がらしで染めたもの。
テレビボードは棟梁に造作を頼もうと思っていたんですが、予算切れで・・・!


2階。冬には普段は使わないエアコン。
壁付けエアコンを部屋の梁の上に設置してあって、壁までの配管が無粋なので、

とりあえず手拭いを掛けてみました・・・よけい目立ってブサイクか?!

大勢が集まって飲み食いするのに、冷蔵庫が全然たりません!
そこで、インナーバルコニーが臨時冷蔵庫に。

最高気温は10℃に満たず、最低気温も5℃に満たないので、食品保管にピッタリ。

子どもたちは、2階で遊びます。
たかが6畳と4畳半の2部屋ですが、開け放つと子どもが走り回るには十分。

畳敷きの続き間なんで、裸足でも転んでも大丈夫!

そして、その孫たちと次男夫婦は、遠いのでお泊り。
間仕切りを閉めてしまえば、個室の寝間に早変わり。

こんなフレキシブルさが、畳の和室のいいところです。

そして、こんな木組みを眺めながら、おやすみなさい。


朝の2階の洗面所の小窓、北向きなのに隣家が白っぽいせいか、意外と眩しい。
そこで、私の今は亡き父がデイサービスで作った百均(?)竹簾工作を掛けてみると、

大きさピッタリ! いい具合に納まりました。

ついでに、ウォークインクローゼットの小窓にも、
お節料理の伊達巻に巻いてあった巻簾が天然葦製だったもんで、

網戸に挟んでみました。これもいい具合にピッタリ!


こんなふうに毎年お正月には、親族が一堂に会する・・・
文字どおり年の初めの例(タメシ)とて・・・になればいいなぁ、
そんな家であればいいなぁと思います。


ところで・・・。

KBS京都テレビを見てたら、1月2日には、昨年中止になっていた
「釿(チョウナ)始め」​が、今年は千本釈迦堂に会場を移して催行されたそうです。

「釿始め/木遣音頭」​(広隆寺2016年)​

我が家の玄関式台はチョウナでハツった名栗ですが、
こういう伝統の技の継承に関心が向くようになったのも、
石場建て伝統構法で建てることになった​日伸建設​の親方・棟梁のお陰です。
 

年頭にあたり ~ #木組み #無垢材 #天然乾燥 #手刻み #土壁 #自然素材 #木の家 ・・・

この石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の新居に、
昨年の正月明けから暮らし始めてほぼ1年。
初めてのお正月を迎えました。



玄関先には「​ことほき​」の創作しめ飾り、
庭先にあるものを足してアレンジ。

​(掛けるときに南天の赤い実がポロポロ落ちてしまい、万両の赤い実を付け足しました。)​

9時をまわって、ようやく朝陽が射してきました。

今朝は冷え込んでまだ3℃台、でも風もなく晴れて、穏やかなお正月日和。

良い年明けを迎えることができました。


さて、昨年1年間、このブログに投稿すること52回。
今どきの新建材で密閉し機械換気に頼った高性能高気密高断熱住宅とは敢えて逆をいく、
日本古来の現代的建築手法による家の四季を通した実際の住み心地を綴ってきました。

書くに当たっては、集め読みあさった百冊を超える関連書籍もですが、
それ以上にたくさんのインターネットの情報から学ばせてもらいました。
なかでもfacebookYouTubeはとても役に立ちました。

そういえばテレビは、地上波もBSも放送はあんまり見なくなりました。
どのチャンネルも芸のないタレントのバラエティ番組を垂れ流しているテレビ放送。

番組は「制作」するもんだと思っていましたが、
放送局は今や「製作」しているだけなんじゃ?
そんなものを見ている時間があったら、YouTubeの方がよほどためになる。

YouTubeもピンキリではありますが、「制作」している思いが伝わる。
それらのなかで昨年とってもおもしろかったのは、

我が家と同じような家を真摯に建てている
大工・職人や建築士や会社が、全国にこんなにたくさん!
「そんなん今どきできまへんでぇ!」・・・住宅メーカーの営業はウソ。

住宅メーカーは、家を「製作」してるんですよね。
家を「制作」「創作」している大工さん職人さん建築士さんの思い、
実際暮らしている体験が、​「職人リレートーク」​からは生々しく伝わってきます。


そして、我が家のような家を、本来の日本の家をつくっている大工・職人や建築士や会社は、
木の家ネット​以外にも、全国的に見れば意外とたくさんあるということも知りました。
我が石場建て伝統構法、木と竹と土と紙の家を建てた​日伸建設​もその一つ。


天然乾燥の無垢材を手刻みして伝統的工法で建てられる工務店は、
大阪府に何社あるでしょうか・・・5社に満たないかも?
それでも、無いわけじゃない!・・・そんなにあるんですよ!施主にとっての選択肢が。


家づくりに興味がわいたら、
ぜひそんな工務店や建築事例を検索してみましょう。
知らなかった素晴らしい世界が広がります!


そして、あと昨年のトピックスといえば、
その​日伸建設​から12月にインタビューを受けたことです。
今月末ごろにはHP​「お施主様の声」​に載るんじゃないかと思います。

いや、とてもその1ページに納まりきる話しじゃないんです。
今日まで52稿書いてきて、まだまだ語り尽くせないんですから・・・!

てなわけで、まだまだこのブログは続きますので、
今年もどうぞよろしくお願いします。


今日はこの家での初正月ということで、
長男夫婦、次男夫婦と孫3人、妹夫婦と甥姪が大集合!・・・まさにthe実家。

30坪ほどの敷地に30坪ほどの家が建っていて余地はあまり無いんですが、
車を奥に詰めて、なんとかあと2台分の駐車スペースを確保。


引っ張り出してきた折りたたみ机をズラッと並べて、the実家仕様に。

狭い家ですが、こんなシーンを想定して奥行を生かした間取り。

玄関/階段ホールも続き間の一部として。

小さな家でもみんなが集まってくる家ができて、本当にありがたいこと。
さあ、そろそろみんなが来始めるころです。
夫婦二人だけの静かな元旦は、にわかに賑やかになります!
 

こんどは大寒波襲来! … 隙間風? 湿度は? 炭火は? ~ エアコン暖房の伝統構法

今日12/26(日)は、
石場建て伝統構法の新築@大阪・ひらかたの我が家の、引渡し1周年記念日でした。
実際に住み始めたのは明けて1月からですが、居住環境をここに綴り始めて早くも1年・・・!
(参照:2020.12.26稿「竣工・引渡し ・・・ 初めて過ごした実感 ~ 温熱環境など」)

そして今日は、天気予報どおり数年に一度という大寒波襲来。
その前にと昨日は、それでもけっこう冷え込むなか、
信楽(滋賀・甲賀市)の​土鍋専業の窯元​に、土鍋を買いに妻と行ってきました。

信楽の旧市街地にある​古民家ギャラリーカフェ​で昼食。
築百年に迫ろうか(?)という建物は傷みがひどく、断熱も気密もあったもんじゃない!

それでも、石油ストーブの懐かしい匂い。このほんわか温かさにとっても寛ぎました。

こんな室内環境が当たり前で育った私には、これはこれでエエやん!と思えてしまいます。
いやいや、アカンね。チコちゃんに叱られてしまいそうです。


明けて今日。朝から天気予報では、電気に頼らない暖房器具の用意を!との呼びかけ。
実際、日本海側はかなりの積雪で、滋賀・高島市では雪による倒木で停電。
これが長期に渡る大災害だったら、電気仕掛けだけに頼る現代の家はどうなるんでしょう・・・。

そんな大寒波で、我がまち枚方にも初雪がほんの少し舞いました。
けれど、だいたい京都・亀岡と大阪・高槻との間、丹波と摂津の国境の山地で
雪はほとんど堰き止められ、その南側の河内の国・枚方への影響は限定的です。

とはいえ、今日の最高気温は5.3℃。
我が家はいつもどおりエアコン22℃設定で室温20℃ほどで過ごせましたが、
朝とお出かけ帰りには、ガスストーブの直火で温まりました。

お出かけ・・・今日は寒いのでずっと家にいるつもりだったんですが、
妻が玄関ホールで片づけ物をしていて、ふと言うんです・・・
玄関土間と玄関ホールとの間の引戸の下から、隙間風を感じる!と。


これは、前の冬には気付かなかったこと・・・いかんいかん!ってんで、​モヘア​を買いに。
1軒目のホームセンターにはスポンジの隙間テープしかなく、
2軒目に行く前に立ち寄った百均ショップで見つけてゲット。


百均だと品質は劣るかもしれませんが、
高4mm幅6mm長2000mmというのがピッタリだったんで、ま、お試しにと。


帰宅してさっそく貼ってみると、
見事に隙間風は止まりました。


ただ問題が!・・・隙間4mmは測って買いに行ったんですが、部分的に微妙に狭いようで、
開閉がかなり重くなってしまいました・・・失敗失敗! なんとか工夫せねば(※追記☟)


外気温4℃ほど、玄関土間10℃ほど、玄関ホール18℃ほど。
この家はC値は実測5ほどですが、これで少しは向上するのかな?
(参照:2020.12.29稿「気密測定/C値~石場建て伝統構法の新築で?…予想どおり!」)

ところで、我が家は伝統構法とはいえ、ほぼ家じゅうをエアコン1台で暖房しています。
そこで気になるのは乾燥・・・湿度計はだいたいいつも湿度40%前後を表示しています。

1年前の冬はエアコン暖房してて50%前後でしたから、
土壁の乾燥が進んできたということなんでしょうね。
・・・ということで、本当はもう少し加湿したいところです。

それでエアコンの上の梁に、家にあったミンサー柄のベルトと竹の棒を吊って、
室内干しを仮設してみました。

濡れタオルを掛けておくといいかも。
・・・なんか、どんどん生活感が丸出しになってきます!
そのときはロウソクで火を入れてみたんですが、さすがに火力が弱すぎて湯が沸きません。

そこで、最小クラスの電熱器を仕込んでみました。


茶釜の底全面を加熱しているんで、
写真には写りませんが、これでかなり湯気が上がっています。

とはいえ、300wでも電気は電気。本来は炭火にしたいところなんですが、
C値5の家で、高気密とはいえなくても低気密というわけでもないこの家で、
空気は大丈夫なんでしょうか・・・。どなたかアドバイスください!

ま、こんなので湿度計の数値が上がったりはしそうにないですけど、
加湿器を買う気もしないし、気休めに遊んでるってところです。
 
 
※追記:引戸の下にモヘアを貼って開閉が重くなってしまった件、
    モヘアにシリコンオイルを滲みこませたら、支障ない程度にスムーズになりました。)​

寒波襲来! … この冷え込みをどう乗り切るか? ~ 現代の伝統構法の家の場合

一年前を振り返ってみれば、ちょうど外構工事が終わって、屋内の最終洗いの頃。
この寒い時季、職人さんたち、本当によく頑張ってくださいました。
(参照:2020/12/19稿「外構工事ひと段落~最初から最後まで大活躍の左官職人」)


そして今朝12/18、昨夜からの急激な寒波襲来に一気に冷え込み、​枚方の最低気温は0.2℃ (07:05)​。
朝8時半、山側で陽が当たらない東側にとめてある車のボンネットには、霜が残っていました。


そこで各部屋の温度計を見に行くと、
外気は6℃台で湿度16%。
1階は20℃台で40%、2階は18℃台で43%でした。
(一晩中1階の床置きエアコンだけを20℃設定で稼働し続けた朝8時半)

特筆すべきは、障子の断熱効果です。
そのときの障子の外側はLow-E複層断熱ガラスでも13℃台、室内との温度差7℃ほど!

東側の玄関も、障子が断熱に功を奏しています。
この時季は朝からずっとまったく陽が当たらず、三和土の土間は16℃台46%でしたが、
室内と土間を障子で仕切ってあるので、お陰で土間の冷えが室内に伝わりにくいのが分かります。

11月中頃からは、1階の床置きエアコンだけを点けっぱなしです。
朝起きたら22℃設定にし、寝る前に20℃設定におとしています。

それで家じゅう毎日ほぼどこでも設定温度ぐらいの室温なんですが、
寝起きの1時間半ほどだけはガスストーブの直火で、一日の気合を入れています。

C値は実測5c㎡/㎡なんで、換気扇なしで点けっぱなしというわけにはいきませんが。
(参照:2020.12.29稿「気密測定/C値~石場建て伝統構法の新築で?…予想どおり!」)

昨日までは最高15℃ほどだったのに、
今日は​9.1℃ (13:41)​までしか上がりませんでしたが、
それでも屋内はいつもどおりにしていて特段冷え込むことはありません。

そんなこの家の温熱環境のことについては、一年近く前の冬まっ盛り1/13稿
でも述べたところでもあります。

寒波襲来といっても​省エネ基準地域区分6地域​のここ枚方の市街地はその程度だし、
断熱材は屋根と床だけで杉板外張り土壁外壁は断熱材無しの伝統構法の我が家はそれで十分なんで、
ZEH!とか国は喧伝していますが、全国一律の義務化には本当に疑問を感じます。


これでもっと直射日光が当たればさらに暖かいのですが、

さすがに住宅密集地、南側の隣家に遮られて1階には、
午前中の2時間半ほどしか日光が当たりません。

それでも建物を北側に寄せて南側をできるだけ空けたので、2階にはずっと陽が射します。
昼過ぎ、南側の窓。

夏場には日陰をつくってくれていた長い軒の下から、
冬場は日光が浅い角度で部屋の奥まで深く射すのがはっきり見て取れます。


そのお陰で、2階南側の窓の下のちょっとした格子吹抜けの下、

陽の射さない1階にも光が届いています。


昼下がりには、北側の階段奥にまで日光が射します。

こんなに奥まで届く陽射しは冬には暖かい恵み! 設計の工夫で、ぜひ採り入れたいもの。

(☟東側の部屋の南面の窓)​

夏の暑い日射を防いでくれていた深い軒よりも下に、​
暖かい太陽を望むことができます。

(☝西側の部屋の南面の窓)

午後の西からの陽射しも、冬場はできるだけ採り入れたいものです。
(西側の部屋の西面の出窓☝)
日本では西側に窓を極力設けないのがセオリーですが、私は
夏場の西日の熱射は簾や​アウターシェード​で遮ってでも、西側に窓を開けたい派です。

付け加えるならば、我が家の北側の隣家は外壁が白っっぽい色なので、
その反射光もバカにできません。暗い北側でも、窓を見上げると眩しいぐらい!

細長いハイサイドライトにしたんですが、こんなことならもっと大きめでもよかったぐらい。

こんな日射取得ができるのは、隣家のお陰でもあるんですよね!
南側の隣家が北側斜線を守って傾斜屋根になっていること・・・敷地一杯の陸屋根だとガッカリ!
北側の隣家の外壁の色が明るいこと・・・黒い家だとガッカリ!


ところで、冬場に暖かくというのには、「採暖」と「暖房」があるんだそうです。

日本は古来より夏場を旨とした開放的な家だったので、
火鉢や石油ストーブなどの「採暖」で寒さをしのぎ、
部屋や屋内全体を暖める「暖房」はなかなか発達しなかったとのこと。

我が家はそういう意味では、伝統構法といえども現代のエアコン「暖房」の家です。
省エネ性、エネルギー効率で言えば、断熱性能と気密性能が一定あれば、
エアコンは圧倒的なんだそうです。

エアコンだと過乾燥が気になるところですが、
24時間点けっぱなしにしていても、
無垢材と土壁のこの家はずっと湿度40%ほどを保っています。

それでも、薪ストーブにはかなわない!・・・街中でははばかられる。
火鉢も憧れるけど!・・・それなりに気密性はあるのに換気装置に頼らないので、
空気の汚れが気になる。

そこで・・・。
母の形見の風炉釜にロウソクで火を入れてみました。


それと、ティーウォーマーなるものを買ってみました。
どちらもロウソクの炎の揺らぎが、暖かみを目から感じさせてくれます。


余談ですが、この杉の間伐材製のKIZARAに盛った・・・
たかがロウソクですが、茶釜や鉄瓶の熱で手を温めることもできますし、
中で穏やかに沸いているお茶が、ほのかな香りと湯気を漂わせます。

この程度では室温にも湿度にも全くと言っていいほど役には立っていませんし、
ただの演出と言ってしまえばそれまでですが、費用もとりたててかからないし、
こんなささやかな気持ちのゆとりがあってもいいかな・・・って。

こうした冬ならではの温かい楽しみを思いつくのも、
新建材で密閉された高断熱高気密性能一点張りの現代の家とは違った、
木と竹と土と草と紙の家ならではなのかもしれません。

日伸建設HP掲載用のインタビュー取材を受けました・・・大阪/枚方初の石場建て伝統構法の竣工1周年 ~ 1年点検も兼ねて

昨日12/11(土)午後からは、久しぶりの来客予定。
こんなことでもないと、なかなか掃除も十分じゃないので、
朝からは年末の大掃除を兼ねてきちんとお掃除。

まずおみえになったのは、いつもの​日伸建設​の小西社長、田中棟梁、森田さん。
そしてメインゲスト、ホームページ制作会社​オニオンウェブ​の江川さん。


その日は​日伸建設​の​​「お施主様の声」​のページに我が家を掲載するための、
インタビューを受ける日だったんです。


さて、何を話そうか?
掲載されている​「お施主様の声」​・・・。
「棟梁とは親戚のおっちゃんと話しているみたいに何でも相談に乗ってくれた」・・・そのとおり!
「一緒に家を建てているという感覚がある」・・・そのとおり!
「作業場にも、現場にも通い、家づくりの一部始終を見せてくれた」・・・そのとおり!
「細かいところを見ても手を抜いた形跡がない、棟梁の家は100年だって残ってる」・・・そのとおり!
「和風の家もいいんですが、老舗のうどんやさんみたな家にはしたくなかった」・・・そのとおり!

・・・もう、思ってること、言いたいことは出尽くしてるやん!
日伸建設で我が家を手に入れた皆さん、感じてることはみんな同じだなと、あらためて思いました。


じゃあ私たちは、何を話す?
やっぱり皆さんと同じことを繰り返すことになりますが、
それらを言わずして日伸の家は語れません。

そして我が家ならではの話しといえば、何と言っても
「石場建て伝統構法」にまつわるエピソードでしょう。

それなら、​このブログ​にずっと掲載してきたことです。

また、​私のYouTubeチャンネル​を見てもらいながら話すこともできます。

とはいえ、こうしてカメラを向けられると、緊張します。

思いつくまましゃべっていると、もう何を話しているのやら・・・。
このカメラで録音もされているそうですが、これは文字おこしが大変そうです!

でも、田中棟梁(中)と小西社長(右)としゃべりだすと、

やっぱりどんどん勢いがついてきます・・・まさに親戚が集まってる感覚!
それにしても大の大人がこうして集うと、あらためて小さい家です。

日伸建設のプロカメラマンが写すと、

どうしてこう広く見えるんでしょう!

日伸建設に決めた経緯、石場建てに至った経緯、
伝統構法の設計のこと、木組みや土壁のこと、建築中のエピソードなど、
入居後の住み心地や、家づくりを通して学んだことなど、話しは多岐にわたります。

造作キッチンのこだわりについては、妻が語ります。

2020.10.21稿​「オーダー造作キッチン据付…総無垢材木組み~家具職人の技が光る」​に掲載した、
我が家の見どころのひとつ!

日が暮れる前にと、外回りの取材。
石場建ての石場建てたる所以、デッキの下から床下を撮影する江川さん。

・・・いろいろガラクタが置いてあるんですよね! 片付けとけばよかった。

日没頃、江川さんには2階のこれが目にとまりました。
確かにこれも、我が家の見どころです。



取材が始まって、あっと言う間の2時間半!
私たちも話しているうちにあれやこれや次々とあの頃のことが思い出されて、
お陰で本当に楽しいひと時になりました。

それにしても、たくさんのとりとめもない話しと、たくさんの写真。
これはまとめるのに一苦労も二苦労もありそうです!


1か月後ぐらいには​日伸建設のHP​に掲載されるそうです。
その節はここでご報告しますので、ぜひご覧ください。

第6次エネルギー基本計画 … なんか変? ~ ZEH・太陽光自家発電一辺倒の政策に違和感!

先週までの小春日和はどこへやら・・・。
今週に入ってから一気に12月並みの冷え込み。

最高気温が15℃前後、最低気温が10℃に届かないの日が続くと、
さすがに1階の床置きエアコンだけでは、22℃設定にしても、
2階は20℃に届かず19℃台。


それでも、家じゅうの室温が連続していて、
階段も2階も、エアコンが届かないトイレも、そんなに寒くは感じません。
もしかしたら土壁がホンワリ蓄熱していて、その輻射があるのかもしれません。


さて、そんな木と竹と土と紙でできた我が家。

じゃあ、隙間風の吹く昔の古民家の如しかというと、
伝統的な構法であっても現代の知見をしっかり盛り込んだ造り。

とはいえ、断熱材は屋根と床以外は入っていないし、
気密テープなどで目張りしているわけでもないし、
石場建てなんで基礎断熱もなにもあったもんじゃありません。


国が進めるいわゆる​ZEH​(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、
縁もゆかりもない構造です。
 


実は私は、石場建て伝統構法で自宅を新築することになって以来、
いろいろ調べれば調べるほど、
ZEHや太陽光自家発電に少なからず違和感をもち、矛盾を感じているんです。

そのことをなんとか書き綴っておきたいと思っていた矢先、
こんなメルマガ記事が届きました。

「​アレルギーと住宅を考える会​」の会報(メルマガ)2021.11.20。

この会は、曖昧にされている住宅とアレルギーの関係の解明に努め、
自然と共生する住宅と暮らし、免疫力が最大限発揮される住宅を研究し、
情報発信・啓発活動を行なっているネットワーク。

私も個人名で大阪・北河内支部とさせていただいているところです。

そのメルマガ11/20のテーマは、2021年10月22日に閣議決定された、

それを読んでみて、まさに我が意を得たり!・・・浅学の私が言うよりと、
会長の川田季彦氏(​川田建築設計事務所​:山形・酒田市)による発信を、
ご本人の承諾を得てここに転載させていただくことにしました。

~~~~~<以下引用>~~~~~

「エネルギー基本計画」が発表された。
日本は温室効果ガスを46%削減(2013年比)すると宣言した。

その中で、家庭部門における温室効果ガス排出量を1/3にするという目標が示された。
66%減らせというのだから、無理難題を押し付けられたものだ。
我慢してエネルギーを使わないで暮らすか、再生可能エネルギーで賄うか? である。

計画書によると、建築物の省エネ化、ZEHの普及が不可欠である。
2030年には新築住宅の6割をZEHにすると言う。
既存の住宅をどんどん建て替え、2050年にはZEHを標準にしたいらしい。

ZEHは一般住宅より約400万円は高額になる。
富裕層しか買えない住宅である。
経済格差はさらに拡大することは明らかである。

さらに、設備機器は故障するし、寿命がある。メンテナンスや維持費がかかる。
そして、常に最新の機器を購入することに追われまくる。廃棄処分費はバカ高い。

ZEHには、太陽光や風力など、創エネ設備機器が必要になる。
ソーラーパネルであるが、製造元の多くが中国製である。
しかも、中国製の半分は新疆ウイグル自治区で製造されたものだと言われている。

中国の温室効果ガス排出量は世界一であり、
2025年までは排出量は増加して良いと決められている。
さらに、日本政府は人権問題に対して、見て見ぬふりである。

超安い人件費とエネルギーで製作しているのだから、
国産のソーラーに勝ち目がない。

今後ますます、世界中における中国製品のシェアは拡大していく。
やがて、日本中どこに行っても中国製ソーラー屋根の街並みに
変わっていくことを国は求めているということだ。

ZEHの購入には、100万円の補助金を支給して、普及を誘導している。
私たちの税金を使って、中国を支援しているのである。

中国が経済成長するわけだ。
軍事費が潤沢になり、その後、どうなるか???

SDGs、だれ一人取り残さない、、、と言うのは簡単。
本質を追究してから、語っているのだろうか?
SDGsは戦争がある限り、実現できるわけがない!

さて、「エネルギー計画書」は立派だが、、、
「建築物省エネ法」は法律として正しいのか?
ZEHは本当にエコなのか?

ライフ・サイクル・アセスメント(製造から処分までのCO2排出量)の
視点からの理解できる説明がないのが不思議である。
都合が悪いことも公表しなければ、取り返しがつかなくなる。

~~~~~<引用終>~~~~~
小泉前環境相が住宅への太陽光パネル設置義務化を視野に入れて考えるべきと言ったことに対し、
バカ言うなよ!って異論を述べました。

気密テープで目張りしてビニルクロスで包んで24時間機械換気する高気密住宅についても、
私のブログではずっと異論を唱えてきました。

これらの問題については、川田氏が指摘するように、
ライフ・サイクル・アセスメント(製造から処分までのCO2排出量)の
視点からの理解できる説明が見当たりません。

いや、説明できないから! 大局的な見地から巨視的な視野で見ると、
ZEHは理論としては破綻しているのは明らかで、政府はそれを知ったうえで、
大企業への利益誘導策としてCO2削減やSDGsを騙っているのでしょう。

資源エネルギー庁によれば、ZEHとは以下のように説明されています。

けれどこれって、それはそれでいいとしても、結局は理論遊びでしかない。
新エネルギー基本計画はスクラップ&ビルドを進めることが前提である時点で、
本質的なエコとはかけ離れているんですよね。

高効率な設備システムの導入が前提となっている限り、
それはサステナブル(持続可能)じゃない。

しかも、新建材で覆われた家づくりが前提となっている限り、
そこに住まう人の健康は観点にない。

再生可能エネルギーを導入することよりも、
そもそも人工的エネルギーを極力使わないで済むことが本来のエコ。

それで言うなら、日本の気候風土に根差した日本古来の建築手法をベースにした
伝統的工法・・・現代の木と竹と土と紙でできた家は、
その求める性能を十分満たすことができます。



産業振興を第一義としたZEH推進一辺倒ではなく、
国民の健康で豊かな暮らしを第一義とした本来の家づくりも含めた、
ライフスタイルに合わせた多様な選択肢が、今求められると思うのです。

ここ数十年の省エネルギーの観点のない住宅は論外としても、
ZEHにするとチープな素材でもコストが上がる。
ZEHにしなくても木組み自然素材の家もコストは上がる。

住宅の高品質化でコストが上がるのは当然のこと。
それを受け入れた上で、どうせ上がるコストなら、
その分を我が国の気候風土と歴史と匠の技に支えられた伝統構法に!

そんな選択肢も、国が推奨するべきだと思うのです。
ZEHだけが省エネ・脱炭素の答えではない。



憲法第25条に謳う「健康で文化的な生活」。
その最低限度の保障を越え、本来の健康的な暮らし、文化的に豊かな暮らしの実現を。
それは、木組み自然素材による伝統構法の家にこそある!

そんな住まいの哲学も、推奨されてしかるべきだと思います。


今朝(11/26)のNHKニュース・・・


コストアップ分を補助金でというのもいいけれど、
人権問題を抱える中国製の太陽光発電に税金を投入するより、
ウッドショックのいま国産材の活用に税金を投入する方が大切なんじゃないかなぁ。

脱炭素・省エネ・サステナブル・・・共通の目標に向けて、
いろんな住まいの哲学が共存する、そんな多様性を認め合うことが、
政策として必要なんじゃないかと思います。